人間万事塞翁がポニーガール
【完全服従】
気付くと厩にポニー姿のまま繋がれていた。
きょろきょろ見回してもだれもおらず、昏倒した時のまま運び込まれたようで、肩に軽い擦り傷があり、ベタベタと何かが塗って手当てしてあるのが見えた。
他はまだ土が付いたりしたままだった。
随分楽だと思ったら、轡と顔面ハーネスは外されていた。
手の拘束は全く同じで、厩の柱から鎖で首輪に繋がれていた。
私が気付いたことを厩の監視カメラで見ていたのか、気付いてから数分したら沙羅が来た。
「ああ、ああ、警告音が鳴ったら引き返せば怪我しなくて済んだのに。私の持っている発信機からだいたい300m離れると電撃です」
「きいてませんよこの首輪のしかけのことなんて」
「すみません、まさかと思って言ってませんでした。それに御竦さんポニー好きになったようでしたし」
「拘束つづきで、運動がたのしいと思っただけです」
「まったく御竦さんの強さは普通ではありませんね。スーツケースの後もなんだか心の底まで堕ちていない気はしていたのです」
あの違和感はそういうことだったのか。
「あなたの精神的肉体的強さは良くわかりました。でももうあまりこちらも時間を掛けていられないので、少し荒っぽい方法を使います」
「また呼吸制限をするのですか? それとも陵辱でもしますか?」
「いいえ。多分あなたにはそれより酷い仕打ちだと思います。私は祖父に命じられてあなたをポニーにするつもりですが、この方法だけは使いたくなかったのです」
「淫らな罠も超拘束も呼吸制限も耐えきったので、怖いけれど耐えてみせます」
いつもの廊下から階段を降りると、地下にこぢんまりしたスタジアムがあって、中央にボクシングのリングがあり、周囲に粗末な客席がそのまま朽ちていた。
「かつて地下試合が行われていたようですが、今はご覧の通りです。でもリングのマットだけがきれいなのは私が時々練習をしているからです」
「え?」
「ところで、あなたはあなたのおじいさんが第二次大戦中何をしたか知ってますか?」
「南の島で戦ってたと言ってました」
「そう、あなたのおじいさんは私の祖父の部隊をたった一人で壊滅させました」
「それとこれとがどういう関係があるんです?」
「その時、私の祖父は捕虜になったのですが、あなたのおじいさんから御竦流を習いました」
「ええっ? そんな! 一子相伝のはず……」
「祖父ももともとカラテやいわゆるマーシャルアーツなどかなり興味を持って習っていたようです。そこで頼み込んだようですね。あなたのおじいさんは当時の状況から捕虜はあとで殺されると思っていたので、せめてもの情けに教えてくれたのでしょう。しかし祖父は生き残り、そのあと少し精神的におかしくなりました。きっと部下の霊が復讐せよと責めさいなんだのでしょう」
「そんなことがあったなんで知りませんでした」
「まあ霊がというのはともかく、祖父はずっと復讐を考えていました」
「そんな……」
「祖父は終戦後、革製品の会社を興し成功しました。そして裏で特殊な需要にこたえていたのです。おかげで不況でもあまり影響ありませんでした。そして色々な人に頼まれ、ポニーの斡旋という仕事も始めたのです。しかも弱気でただ従順な子ではなく、強気で元気な子を望むオーナーのための。事業ではまじめな祖父も自分の異常な部分がだんだん抑えられない人になっていたようです」
「完全に人身売買じゃないですか……」
「私は早くに両親を事故で亡くし、ずっと祖父に育てられました。そしてあなたと同じように祖父からずっと御竦流の技を習わされ、かなりいびつな少女時代を送りました。あなたはいやではなかったですか?」
「正直、嫌だったです。でもなんとなくそれなりに過ごしてきましたから」
「あなたはきっと才能があったのです。私は祖父の要求に応えるため、自分を捨てて努力をするしかなかった」
「…………」
「祖父は人生の最後に、あなたをポニーに調教し馬車を引かせてあなたのおじいさんの前に現れるつもりです。それで復讐が完遂すると思っています」
「そんなの絶対に嫌です!」
「祖父はもう体力的に永くはありません。私はあなたをなんとしてもポニーにします。そのためには本意でない方法も使います」
沙羅は私の後ろ手拘束を解き、ブーツも脱がせると、革のコルセットも、首輪さえも外した。
私は裸にされたが、体は軽くなった。
「なぜ…………?」
「そこの下着とシャツを着て、手足をほぐしたらリングに上がって下さい」
「え?」
言われた通り安っぽいスポーツブラとショーツを身に着け、タンクトップのような短いシャツを着て、ポニーブーツでくたくたになった足を揉んだ。
手は拘束されていたわりにはすぐに普通に動いた。
うちは道場だったのでこんなリングは始めてだ。
中央は沙羅の練習のせいできれいだが、周囲のロープ下は埃だらけで汚い。
私は慣れないので仕方なくそこからずるりと這い上がった。
沙羅はロープを掴むと軽々とリングに上がった。
「いきます」
御竦流は殺人拳法なので試合いのルールや開始の合図などない。
沙羅が初っ端から急所を取りに来る手を必死に払い、こちらも必殺の突きを繰り出す。
しかし、もともと戦場で効果的に人を殺し続けるアイデアで練り上げられた拳法、そのアイデアを知る者には防ぐ余裕を与える。
空手や柔道のようにあまねく広めて技を競い合うための武道ではなく、自分一人あるいは信頼し切った仲間数人に教えて、戦場で主君を助け、名を上げるために編み出されたものなので、それを知る者同士が戦うことは想定していない。
だから一子相伝。
おじいちゃんもまさか相手が生き延びると思わなかったからこそ捕虜に伝えたのだ。
「ぐふッ!」
沙羅の膝がお腹に入った。
息が乱れる。
仰向けに倒れた私に沙羅がとどめを刺しに乗る。
私は恥も外聞も無い、勝つためだけの技を練る。
相手を殺す目的のため、一般武道から見れば汚い手、金的や目潰し、外耳道を叩いて鼓膜にダメージを与えるなども辞さない。
沙羅の上体がこちらに近づいたところで唾液の眼つぶしを仕掛け、次の瞬間には私が沙羅にマウントして鳩尾に手刀を入れるつもり。
上体とともに急に沙羅の顔が近づき、逆転のチャンスがやってきた。
その時、唾を練る私の唇が、熱い唇で塞がれた。
「ムーーーーッ?!」
目を剥いて驚愕する私の首が沙羅の肘で圧迫される。
頸動脈が押し潰され、ドクドクと脳の拍動とともに視界が暗くなる。
そのまま気道まで圧迫され、必死に吸う息が入って来ない。
「クヒッ!」
口の中を這い回る沙羅の舌を感じながら、私は気を失った。
気が付くと、臨時の下着もシャツも脱がされ、全裸でいつもの厩に鎖で大の字に磔られていた。
厩の2本の柱の上下から鎖が伸び、立ったまま手足を四方に引き伸ばされた状態だ。
「うう……」
「大丈夫ですか? すみません、強く押しすぎてしまって首に少しあざがのこってしまいました」
「平気……です……ゲホゲホ」
私はいがらっぽい喉で返事した。
「たまには負けるのもいいでしょう?」
「あぁ……」
敗北の屈辱に震える。
「ふふ、少しいい目になりましたね。これで随分楽になったはずですよ。この気分の時にどんどん進めてしまいましょう」
そうだ…… 私、負けたんだ……
おじいちゃんとの練習で倒されるのではなく、本当に勝たなければいけない場面で、一番負けてはいけない相手に完敗したんだ。
「敗者には罰を、ですね。少し叩かせてもらいます」
四肢を限界まで引っ張られて無力に拘束されたまま、私は生れて初めての惨めで情けない気分を味わっていた。
戦場ならば命は無かった。
同級生の依頼での痴漢狩りでいい気になっていた自分が恨めしい。
不当に拉致で拘束されたり、スタンガンで昏倒されたりするのは負けた気分に全くならないのに、相手から振ったなりゆきとはいえ自分で納得できる方法で試合い、そこで負けて全てを奪われるというのは、こんなにも心に隙間の出来る気分なんだ。
「バラ鞭ですから酷い傷はできませんけど、それなりには痛いですよ」
沙羅が背後に回る。
――パン!パン!パン!パン!パン!――
つづけざまに背中やオシリ、太もものうしろ、内股を叩かれた。
「うぐっ!」
惨めに叫ぶのが怖くて必死で堪えた。
「御竦さん、わかってませんね。我慢しないで叫ぶのです。惨めに、恥を晒して」
「嫌あぁ」
「あなたは、もう死んでるんですよ? あなたのこれからの人生は私がもらったのです」
――ハッ!――
「ああ……」
心の奥のわだかまりがほぐれて流れ出した。
「今度は前です。まあ実際には死んでないわけですから、また機会があれば挑戦してみてください。私は受けて立ちますよ」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「あぐぁっ!」
反射的に肘を内側に絞り、膝を寄せて身を縮める姿勢をとろうとしてしまう。
胸の下とわき腹、おへその下あたりをしたたかに叩かれた。
「だめですね。身を委ねて受けて、そして絶叫するのです。弱い自分を晒して。負けたあなたには弱々しく惨めになる権利があります」
「嫌ぁ……」
「負けは惨めですが、それによってあなたは全てを委ねてもいいよという免罪符を手に入れたのです。敗者は勝者に支配されるかわり、自力でがんばる義務を捨てても赦(ゆる)されるのです。それが隷属の快感につながるのです」
ドグンと心臓を抉られた。
『弱くなる権利』って何?
『隷属の快感』って……
もう何も突っ張らなくてもいいという免罪符がこの世にあることを初めて知った。
気付いてはいけない禁断の感覚に気付いたかもしれない恐れと快感で、首筋がざわざわと粟立つ。
不意に沙羅が私の耳に口を寄せ、その熱い吐息が耳にかかる。
「命令されるって、きもちいいですよ」
耳の穴に直接囁かれる悪魔の口説き文句は、敗北でぽっかり空いた私の心の隙間にドロリと流れ込んで来た。
囁(ささや)きの驚愕に目を剥く私をそのままに、沙羅はパッと体を離した。
「あはは、むずかしいこと言ってすみません。でも、ちょっとだけ試してみてください。また叩きますから、『絶叫』だけトライしてみて下さい」
「叫ぶ……だけですか」
「ええ、けっこうスッキリしますよ。泣いてもいいですよ。私はぜったい笑ったりばかにしたりしませんから」
「……はい……やってみます……」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「ぁぁぁーーああーーーーーーーーッ!!」
最初小さな声、次第に大きな声で叫ぶ。
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「ああーーーーーーーーー!!」
沙羅が後ろに周り、背中をメッタ打ち。
――パン!パン!パン!パン!パン!――
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「きゃあああぁぁーーーーーーッ!!」
ぶわっと涙が噴き出した。
「いいですねぇ、でもまだ体を縮めてます。もっと負けて死んだ死体のように鎖に委ねてください」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「きゃあああ!!」
また前に回る。
「仕上げです。もうこのくらいは我慢できるでしょ?」
――パン!パン!パン!――
力いっぱい左右の乳首を叩かれた。
目から火花が出た。
「ギャアアアアーーーーーーー!!」
そのままがっくりとうなだれた。
まだ意識はあり、全身がじんじん火照ってる。
鞭打ちの痛みの嵐の中で、絶叫によってわだかまりが全て洗い流されたような気分だ。
波打ち際でさざ波に身を洗われるように、全身の痛みは心地よい刺激に収束して、やがて次第に薄れてゆく。
「あぁ……」
未知の爽快感に浸っていると、プスッとお尻の穴が押し込まれた。
「へ?」
これ知ってる!と気付いた時には、またしても浣腸されていた。
「わーっ!わーっ! 何してるんですか!」
「お浣腸です」
「わかりますよそんなこと!あぐっ!」
もう効果が出てきた。
「以前のと同じ仕様のバケツがちゃんと下に置いてありますから安心です。しかもワンサイズ大きいので外す心配もすくない」
「ひいっ!」
「さあさあ、時間がありません。さっきの話をちゃんと頭に入れておいてください」
何を?と聞き返そうとした瞬間、沙羅がバラ鞭を持って後ろに回るのが見えて真っ青になった。
こんな状態で打たれたら……!
――パン!パン!パン!パン!パン!――
――パン!パン!パン!パン!パン!――
痛みが引きかけて感覚の鋭敏になっている皮膚に、追加の連打が浴びせられた。
「わーっ!」
浣腸の我慢と再度の痛みの嵐に完璧にパニックに陥った。
「もう忘れたんですか? 我慢せず!全部捨てる!叫ぶ!さあ!」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「あ……」
渦巻く排泄欲求と痛みの嵐の中で、私は沙羅の言っていた唯一の免罪符に気付いた。
暗雲の中の光明、しかしそれはどす黒い光を放つ太陽だった。
雲の切れ間から見えたそのどす黒い太陽に向かって跳躍する。
そのための踏み台は3つ。
恥辱を捨てた絶叫。
プライドの完全放棄。
そして心からの服従。
脳みその中がカッと発光したように感じた。
「アーーーーーーーッ!!」
恥も外聞もかなぐりすてた、喉の奥からの心地よい絶叫とともに、最初浣腸された時の排泄快感を思い出すように、四肢を伸展して拘束されたまま汚物を搾り出した。
ぷりゅっぷりゅっと残りを搾り出す時、同時に放尿していることに気付いた。
やがて厩の中が静かになり、全てが終わったことを告げていた。
「気持ちよかったですか?」
「はい……」
私は力なく頷いた。
「また入れますよ」
「そんな!」
私は目を剥いて沙羅を見たが、ここへきてやっと返事の仕方を理解した。
「……はい……」
「さすが御竦さんです!すばらしい」
私は2本目の浣腸を素直に受け入れた。
この瞬間の気分を私は一生忘れない。
敗北が快感へと繋がった瞬間だからだ。
そして今までの経験全ての価値が、ぐるりと逆転したように思えた。
「まだ我慢ですよ」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
――パン!パン!パン!パン!パン!――
一瞬でさっきの我慢恍惚の領域へと跳ぶ。
「ウーーーッ!」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「こらえてこらえて」
――パン!パン!パン!パン!パン!――
「出していいですよ、はいどうぞ」
「ああ……」
許可の言葉が耳に心地よく響き、自分の全権を握る人の言う通りにする快感に震える。
言葉通りにためらわず全部排泄した。
「良く出来ました御竦さん。これからは親しみを込めて『モトコ』と呼ばせていただいていいですか?」
「……はい……その方が嬉しい……沙羅さん……」
「サラでいいですよ、モトコ」
「ああ……」
全裸の股間にキュッと指が触れた。
「ひ!」
「ずっとずっとお預けでしたね、モトコ。走ってごまかし、ポニーで発散し、結局楽になれましたか?」
「いいえ……」
私は力なく首を横に振った。
「モトコのような子が満たされる方法、ちゃんと知ってます。最初からそう言ってたのに、ここまでこないとわからないなんて、おばかさんです」
「ごめん……なさい……」
「もう、気持ち、逸(そ)れませんね?」
「はい……」
サラは私の股を洗うと、右手の革グローブを外し、ゴムの手袋を嵌めた。
「いっぱい感じてください」
自分でも恥ずかしいくらい、サラの指を抵抗無く受け入れた。
最初にしてもらった時のように、膣内部の感じるポイントを少しずつ指先で押されると、切なくて甘い快感に満たされる。
嫌悪感を微塵も持たずに性器をいじられると、口の端から唾液撒き散らしそうな未知の快感だ。
「あーーーっ!!」
あのきもちいい内側のコブを押された。
そのままつーっと指が進入し、奥のどこかをつるつるなぞってる。
「きもちいい、なんですかそこ」
「これはモトコの子宮口です。相当感じてますね、こんなところまで下がってきているなんて」
「ひ! 子宮って」
「処女のままここの快感を知るなんて、背徳的でよいと思いませんか」
「嫌…… ……はい……」
「素直なモトコにいいものをあげます。これは指くらいの太さのステンレスチューブの先にゴムをつけたものです」
四肢伸展のまま拘束されている私に、サラは大きなマッチ棒のような、黒い頭の金属棒を見せた。
頭のゴムはマッチの頭というよりはもう少し長さのある細長い塊だった。
「これは根元の3つのバルブから注射器で水を入れると、3通りに膨らみます。ここを膨らますと先端が球状に膨らみ、
こっちに水を入れると付け根が膨らみます。さらにここに入れると途中も膨らみます」
実際にステンレス棒の付け根にプラスチックの注射器を差し、水を入れて見せる。
全てに水が入ると直径3cmほどの3つのゴム球が連なったものがステンレス棒の先に出来上がった。
「最初は先端のボールだけできもちよくなってください。モトコが慣れたら、先端を子宮内に入れて膨らませてから手前を膨らませると、子宮口をゴム球でサンドイッチにできます。そして中央を膨らませてテンションを掛け、内臓の超小型ローターを振動させると…… ああ、私の方が口につばが溜まってしまいます、じゅるる」
服従の快感に心臓がドキドキしていた私も、肉体に食い込ませられる恐ろしい器具を目の前にするとめまいがするほどの恐怖に押しつぶされそうになる。
沙羅は目の前でバルブにピンを差し、水を抜いてゴム球を元に戻した。
「モトコは貞操帯しってますか?」
「こ、ことばだけは」
「ちゃんとモトコのあります。貞操というよりもこの器具とアナルプラグの固定用ですが」
サラは銀色のまわしのような重々しい器具の股の部分にさっきの銀色の棒を取りつけると、手足を広げられて無抵抗な私に穿かせて鍵を掛けた。
「ひーーっ」
細身とはいえ異物の挿入感に悲鳴を上げた。
「膣の中は痛くありませんか」
「大丈夫です」
「では膨らませます」
サラは水を入れた注射器を私のお股の下に差し込み、水を1回だけ注入した。
「ひー」
体の奥で何かが膨らむ。
「水を抜かずに脱ぐと処女を失うので注意です」
「うう……」
「では仕上げします。もうポニーが好きでたまらなくなるかもしれません」
サラは私の前に屈むと、貞操帯からはみ出た私の性器の部分に舌を這わせた。
そこは狭く絞られてはいるが、性器ははみ出たまま覆われていない。
「モトコのクリトリスは大きくて形が良いですね」
「しりませんー あー 舐めないでくださいー」
性器内のゴムボールと、性器外の舌の攻撃に私はかつて経験したことのない甘美な快感の地獄へ堕ちそうだった。
私はボロボロ泣いてた。
どうしようもない快感に晒されてわけがわからなくなっていた。
私の一番汚いと思われる部分を他人に舐めてもらっている。
嫌悪感を服従の快感と性感が塗り込めてしまい、もう自ら腰を突き出してサラの舌の動きにあわせている。
子宮口に当てられたゴム球は体の動きで時折内臓を突き上げるような圧力を発生させ、その時全身がフワリと浮くような浮遊感で気持ちがどこかへ飛ばされ、その浮遊感がしだいにサラの舌の動きとシンクロしはじめている。
とてつもない巨大な快感が迫っている予感がする。
まだそんなこと経験したこともないのに、全身の小刻みな痙攣がやがて大きな爆発へと繋がると本能が知っている。
するとサラが急に舌を離した。
「やあああ、やめないでください、おねがいします、なにか来そうなんですシクシク」
「安心してください、ちゃんと続けますよ。でもモトコのおしりもそろそろしっぽが入るようにしないとだめなので、この機会にいっしょにやろうと思います」
私はもう何でもいいから続きをして欲しかった。
「おねがいします」
「いい返事ですね」
サラが後ろに回るとお尻にチクリと痛みを感じた。
「ひ?」
「筋弛緩薬を注射しました。少し漏れますけど腸液ですから安心です」
少しするとお尻から何か漏れる感じがして、ブルブル力を入れてもそれはすり抜けて厩の土に滴れた。
「アナルをガバガバにするのが目的ではありませんから安心してください。この入口から奥まで同じ太さのディルドーを入れればモトコのアナルは一回で拡張完了です」
「嫌あ」
「順番に確認します。弛緩薬のせいでねじ込む抵抗は最小ですが、神経は麻痺するわけではないのできもちいいですよ」
お尻に冷たい物が触れると、それが抵抗なく入って、細いうんちが逆流する嫌悪感と、排便の快感があった。
「ふむ、これは緩いですね。だんだん太くなりますよ」
次々と抜き差しされるたび、力まずにうんちしてる不思議な感じにガクガク膝が震える。
最後にキッツキツのサイズのものが侵入してきた。
「あーーーっ!?」
そのどうしようもない排泄感に心がかき乱され、なんとそれがそのまま留置されてしまった。
「後ろ固定しますから我慢してください」
なにか蓋のようなもので貞操帯のお尻の部分が閉じられ、ガチャリと施錠の音がした。
ずっと太いうんちを出してる最中のまま、時間が止まっている。
「さ、サラ…… これは……」
「これがモトコの弛緩時最大サイズです。もともともの括約筋の可動範囲ですから、裂けたり、伸びてオモラシする人にもなりません。これで神経が馴染めばこのサイズでしっぽを作ればOKです。でも筋弛緩薬が切れると慣れるまでちょっとつらいですけどね」
「あの…… 膝の震えが止まりません」
「うんちしっぱなしみたいな感覚ですか? ついでに楽しんでください。そのうち慣れます」
「ああ」
サラは前に戻って再び私の性器を舐め始めた。
「すごい、おしりに刺さっているだけでさっきよりも洪水です」
思考がかき消えそうな超刺激が次々と積み上げられて、もうパニックを通り越して死にそうな私。
少量の筋弛緩薬はあっというまに分解され、最大径で犯されているという猛烈な実感と挿入感がお尻に襲って来た。
細いけど異物に犯されてる膣の挿入感、異物による子宮口の突き上げ感、アナルの極限挿入感の狭間で、クリトリスの刺激がついに頂点に近づく。
ああ、何か来る。
――パチン――
頭の中にそんな音が響いた気がした。
極限の絶頂はその瞬間の絶叫や痙攣を認識するヒマすらないことを最初にして初めて知った。
究極の浮遊感の中で、手足で鎖を引きちぎりそうに全身を痙攣させ、腰をガクガク前後に揺らしながら、サラの顔面におしっこかけていた。
最初の超絶頂が過ぎると、自分が厩を壊しそうな大音量で叫び続けていることにやっと気付いた。
「アーーーーーッ!!」
やっと自分の耳でハズカシイ声を認識したが、どうやっても止まらない。
サラがわたしのおしっこあびたまま追加で舐めたので、喉が裏返りそうな叫を加え、仰け反って悶えた。
わけがわからなくなり、髪の毛振り乱してなにか叫びつづけた。
何分そうしていたのかわからないが、とうとう呼吸が苦しくなってガックリとうなだれた。
