人間万事塞翁がポニーガール

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  【性刺激】  

「さあ、すっきりしたら朝食です」
 男達が入って来て、私を診察台から下し、元の状態に拘束したが、手はもう首輪に繋がれず、前手錠の状態だった。
「途中にシャワーがありますので簡単に流して下さい。髪の毛は洗わないでください。食堂で待ってます」
 昨晩と同じように建物に入ると、廊下の左手にシャワーと風呂場があった。
 コンクリート剥き出しの、昔のプールのシャワー室のようなところだった。
 台にシャワーキャップがたくさん置いてあったので長い髪をまとめてキャップを被せ、鉄球を引きずりながらそのコンクリートの狭い空間に入った。
 意外にも水栓は最新式のもので、無駄を防ぐためか、公園の水場などで見かけるワンプッシュのものだった。
 温度ダイアルを確認して水栓を押しこむと、すぐにちょうど良い湯が出た。
 手鎖つきではあるし、せっけんもなかったが、特にお股と足の裏が洗えたのが嬉しかった。
 キャップをごみばこに捨て、たった1枚の小ぶりなタオルで体を拭いて、置いてあった新品の貫頭衣を着て出た。
 足の裏がまたすぐに汚くなってしまうのが勿体なく感じる。

 鉄球は相変わらず煩い。
「こっちです」
 すでにプレートは置いてあったので、今度は多少自由になる自分の手で椅子を引いて座った。
 沙羅の革スーツの胸に茶色い飛沫が飛び散っていて、ブロンドの髪の毛にも数滴着いていた。
 私は真っ青になり、そして真っ赤になった。
「さっ、沙羅さん! それ、私の!」
「え? ああ、跳ねていたみたいですね。すみません」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「気にしないで下さい」
 沙羅は笑って、プレートに載っていた紙おしぼりを破くと髪と胸を拭った。
 こんなこと、日常茶飯事なのだろうか。
「慣れないと体力使うかもしれませんから、しっかり食べて下さい」
「え?」
 私はもう深く突っ込まず、昨晩よりは姿勢よくプレートの朝食をたいらげた。

 厩に戻ると先程のように拘束された。
「性器、ほんとうにいじってないんですね」
「何度も言わないで下さい」
「私にはこれが耐えられなかった…… あなたは耐えたんですね」
「耐えたという意識はありません、興味ないままずっと来てしまっただけです」
「ならば、今日からは私の気持ちも少しわかってもらえるかもしれません」
 沙羅は両手にゴム手袋を嵌めると、ローションのボトルを手に取った。
 厩には沙羅と私の2人だけ、私は診察台に万歳した状態でM字に固定され、貫頭衣はお腹まで捲られている。
 沙羅は私に顔を近づけると耳に舌を這わせた。
「ひ!」
 誰にもされたことのない未知の行為に恐怖を感じたが、耳の穴に熱い舌が差し入れられる感覚にお腹の奥が熱くなった。

「いや…… 何…… ?」
「誰もが普通にやっていることです。あなたのお友達も、お父さんも、お母さんも。御竦さんが知らないだけです」
 たっぷり耳を舐められたあと、貫頭衣の脇から胸を掴まれた。
 ゆっくり揉まれると、すごく切ない気分になり、先っぽが布に擦れて痛くなってきた。
 その先っぽを布の上からつままれた。
 そっと左右にねじられると、さっきの切なさがキュウウと増した。
「はぁっ……」
 ずっとずっと胸を左右揉まれ、乳首を弄られた。
 どんどんおかしな気分になる。
「せつないですか?」
「わからない……」
「なら、今日はここまでにしましょう」
 そのまま立ち去ろうとした。
「ええっ!」
 私の残念そうな声を聞くと、沙羅はにっこり笑って戸口の手前から戻った。

「あらためて、せつないですか?」
「この気持ちを…… そう言うのなら…… せつ、ない、です……」
「よくできました」
 胸の愛撫が再開され、こんな辱めを受けているのにとても幸せな気分になる。
「どうですか? もうポニーにされてもいいと思うようになりましたか?」
 私はハッと我に返った。
「そ、それとこれとは関係ありません!」
「そうですか。私は少し用事がありますので、しばらく待っていて下さい」
「え?」
 沙羅は出て行き、私は診察台に拘束されたまま取り残された。
 危うく沙羅の手に乗るところだった。
 でも、『せつない』と素直に認めた瞬間を思い出すと心臓がドキドキした。

 しばらくすると沙羅が戻ってきた。
「ああ……」
 私は微笑んで入口の方を向き、すぐに自分の表情に気付いてプイッと顔をそむけた。
 その反応を沙羅がどう見たかは確認できなかった。
「御竦さん、すごく濡れてます」
「え?」
 今まで全く触れたことすらない私の奥の聖域に、いきなり指を入れられた。
「嫌あ! 私、処女なのに!」
「指一本くらい平気ですよ。ほら、簡単に奥まで入りました。それに御竦さんは運動していたから膜が少なめのようですね」
「嫌です! 見ないでください!」
「本当にいじってないんですね。それならここはどう感じますか?」
 中の上をグイと押されて痛みが走った。
「痛い!」
「ごめんなさい。本当はとろけるようにきもちいいはずなんですが。少しほぐさないとダメなようですね」
 性器を自在に弄ばれることに恐怖した。

「あっ、あっあっ、ああん」
 自分の口からこんな甘ったるい声が出るなんて信じられなかった。
 あれから1時間近く沙羅に性器だけを擦られ続けている。
 膣の入り口から尿道口付近、膣の入り口からすぐ入ったところ、先っぽのすごく感じる部分のつけね、そしてさっきまで痛かった所。
 特にさっきまで痛かった所は、キュッと押されるとお腹の奥から熱いものが込み上げてくる感じだ。
 自分で自分のお股の方を見るのが怖くて、顎を上げたまま目を閉じて刺激に身を任せている。
「オウ、また時間です、少し用事をしてきます」
 沙羅は手袋を外して出て行った。
 私は少しおかしくなっていた。
 この先に何があるのかもわからないくせに、自分で続きがしたくてたまらない。
 手足の拘束が真剣に煩わしい。
 内股を擦り合わせようにも膝が空を切るだけ、手は万歳で留められているので全く何もできない。

 沙羅に見られたら、自分からもじもじしているなんて大恥だ。
 ここは今までのストイックな心構えを思い出し、じっと我慢して待とう。
 え?
 待とう?
 今の淫らな有様をキャンセルするのではなく、続きをいじってもらうために、待つ?
 大変だ。
 私は変えられようとしている。
 皆が普通にやっていることなんてウソだ。
 玲も、他のクラスメイトも、お父さんも? お母さんも?
 ばかばかしい。
 そうだ、食事だ。
 きっと食事に怪しい薬を盛られて、こんなおかしなことを考えるようにさせられているのだ。
 沙羅が中座してくれてよかった。
 自分を取り戻せたから。

「お待たせしました」
「あの、もうやめてください」
「ええ?」
「どうせまたポニーになれとか言うのでしょう」
「それは変わりませんが」
「何かのサービスでこんなことをしてくれているのなら、もう充分わかりましたから」
「そ、そうですか? あの、私が今のあなたとおなじ状況だと気が変になると思うのですが、平気なんですか、御竦さん」
「へ、平気です」
「わかりました、では台から下させますから、夕食まで自由にしてて下さい。そうそう、裸足でよければ向こうのトラックを走ってもかまいませんよ。体動かしたいでしょう」
「はい」
 男2人が来て私を下すと、足の鎖は戻したが鉄球は戻さず、手は今度は後ろ手に繋いで診察台を運び出して出て行った。
 私は体が変に火照っていたが、すんでの所で罠に落ちずに済んだことに感謝し、ひとまず藁の上に横になった。

 もやもやした気分がどうにも収まらない。
 自分でいじろうかと一瞬悪魔の囁きに負けそうになったが、考えてみれば後ろ手にされているので無理だった。
 これは好都合だ。
 …………
 嫌だな、まだ薬の効果が残っているのか。
 自分で見ても乳首が痛いほど尖っているのがわかる。
 …………
 そんなことをしてはだめだ。
 自制しなければ。
 なのにふらふら立ち上がり、柱に乳首を押し付けた。
「あうっ!」
 痛いけれど、きもちいい。
 こんな、こんな感覚、知らなかった。

 しばらく乳首を擦っていると、内股が生温かくなって、次第に足首の方へ垂れてきた。
 まずい、生理か? いや、ぜんぜん日数が合わない。
 足首を見ると血ではなかった。
 もうお股をいじりたくてどうしようもなくなっていた。
 あの膣の中の上を押される感覚がたまらなく欲しい。
 さらに奥もなんだか疼く。
 またドロリと足首まで垂れてきた。
 どうにも切なくて、古くて硬い柱に体を寄せる。
 そして夢遊病のように柱に股を擦りつけようとしている自分にハッと気付いた。
 薬が回っているのか、これでは思うつぼだ。
 そうだ、走ってみれば少しは違うかもしれない。

 厩の戸は押せば開いたので、そのままの姿で目の前の広い運動場に出て、足首が傷にならない程度の速度で走ってみた。
 スポーツというものはもともと性欲を逸らせるためではないかというほど効果覿面で、かなり気分が収まった。
 まだ走っていたかったが、もう足首の皮が剥けてきたのでそのまま厩へ戻った。
 厩へもどってしばらくすると沙羅が来た。
「本当に走ったんですか。あなたすごすぎます。少し予定を変更して、あなたの体力を削がないとだめなようですね」
 もやもやをスッキリさせるための行動が裏目に出てしまった。
「夕食はおあずけです。こっちへ来て下さい」
 首輪に鎖を取り付けられ、コンクリートの建物へ引っ張られて行った。
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