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  焦燥の日々  





§§ 焦燥の日々 §§

 眠れない夜が明けた。
「おっす…… どうしたの?」
「ねぇ…… 絽以は知ってたの?」
「何を?」
「アナムネの話……」
 サッと絽以の顔色が変わった。
「……まあね……」
「どうして教えてくれないのよォ!! 『僕も夢を見るよ』なんて大ウソついて!」
 急に声を荒げた。
 私だけのけものにされ続けたような気がして、とっても悲くなったからだ。
「口止めされてたからね。僕はね、博士の家に居候しているから、いろいろと教えられたし、2年くらい前に突然色々と思い出したんだ。へぇ、珠里もやっと思い出したんだ」
「……ううん…… あたしは昨日お父さんから聞かされたの」
「えっ?! どうして急に?」
「昨日の事件に巻き込まれた子がね、あたし宛てのメッセージを持ってたの。『こんどはあたしの番』だって」
「なんだって!?」
「そのことをお父さんに話したら、全部教えてくれたの」
「そうだったのか…… それを聞いても珠里は何も思い出さない?」
「……うん。なんとなく、なつかしい感じはしたけど……」
 絽以がすでに記憶が戻っていたということは、何も知らないでボーッとしているのは結局今では私ひとりということだ。
 猛烈に悲しくなって泣き出した。
「お、おい、どうしたんだよ、急に」
「えふっ…… えふっ…… こんな大事が起こっているのに、あたし一人がボンヤリしてて情けない……」
「しょうがないじゃないか。僕だって完璧に思い出したわけじゃない。日常の細部は思い出せないんだ」
「そう……」
「思い出さないほうがいよ」
「そんなわけにいかないわ。あたし、夏休みに入ったころにおじさまのところで調教受けるのよ?」
「なんだって! お父さんがそう言ったのかい?」
「……ウン……」
 これは絽以にも予想外のことだったらしく、ものすごく怖い顔になった。
「……王様がそう決めたのなら、多分それなりの考えがあってのことだと思うけど、……場所とかわかってるのかい?」
「ううん……まだ。でも間もなく知らされる予定だから。分かったら教えるね」
「うん」
 絽以とはそれ以上会話をせず、学校についた。

 寝不足の体を引きずるようにして行った学校は、授業もボーッとして身が入らなかった。



§§ 秘密 §§

 夕食の準備をするお母さんに、食卓の椅子に座ったまま話かける。
「ねぇ、お母さん、このまえのアレ、またやってよ」
「え? いいわよ」
 ただ不安なまま毎日イライラして過ごしても仕方ないので、少しでも多く情報を頭に入れておこうと思い、私が手に入れるはずの力のデモンストレーションをお母さんに依頼した。
 お母さんは割り箸を手に取った。

「ねぇ、どんな気分で念じるの?」
「うーん、まあ、かなりの集中力は必要よ。それから、念じる内容を整理しないと効果が無かったり、逆に大変なことになるわね」
「大変なことって……?」
「この割り箸を見て」
「うん……」
 お母さんは指先で割り箸の先をつまんで縦に持ち、くっついている根元を上にした。
 しばらくじっと見つめていたら、指でつまんでいない方が音も無く外れ、ストンと床に落ちた。
「すごい!」
「もう1本」
 また割り箸を持つ。
 しばらく念じていると、今度は普通に手で割るように、バキッと2つに割れた。
「うわ!」
「さらにもう1本ね」
 また割り箸を持ち、お母さんは反対の手で自分の鼻をつまんだ。
 お母さんは息を止めるようにして、少し顔が赤くなるように息んだ。
 するとバシッ!とすごい音がして、目の前に肌色の霧ができた。
「ゲホ! ゴホ!! 一体……ゲホゲホ!」
 お母さんの指の中から、割り箸が消えていた。
「あ、ごめん、言うの忘れてた」
「ゲホゲホッ! 一体何がおこったの?」
「ええと、最初のは接合部のみ細胞を壊すように念じたの。2本目は手で掴んで割るようなイメージね。3本目は、実はこれが一番原始的なんだけど、自分の怒りやパニックのイメージを割り箸全体にぶつけたの」
「するとあんなバラバラ、っていうか霧状に?」
「だいたい細胞単位くらいの粉になったはずよ」
「えーっ! 吸っちゃったよぉ!」
「だからこめんてば」
 お母さんは換気扇のスイッチを入れながら謝る。
「でもね、ちゃんと練習しないと、3番目の力が一番最初に出るから怖いのよ」
「どういうこと?」
「昔、私があなたの齢のころ、お母様から力を引き継いだわけだけど、王宮ではちゃんと訓練のための先生がついて、お母様と一緒に効果的な使い方を教えてくれたの。でも、まだ慣れてないある日、晩餐会の席にこっちの世界でいうゴキブリにそっくりな虫が出て……」
「力でうまく追い払ったんだ」
「ううん……」
 お母さんは目を伏せて首を横に振った。
「壁を這い昇ったと思ったら、こっちに向かってブーンって飛んで来て…… パニックになって……」
「あーーーッ!」
「わかった?」
「うん……」
 ゴクリと生唾を飲んでしまった。
「こっちのゴキブリの2倍くらいの大きさがあるの…… だから5人くらいの人が吸い込んじゃって…… テーブルは飛び散った汁で汚れるし…… あたしは霧の直撃……うっぷ……」
「いやぁぁぁあ!」
 その先はとても言葉にできず、2人とも口をつぐんでシーンとした台所に、肉ジャガを煮込む鍋の音だけが響く。
 鼻をくすぐる肉の良い匂いが、心なしか生臭く思えてきた。
「ご、ごめん、夕食前の話題じゃなかったわね」
「い、いいよ、元はと言えばあたしがやって見せてって頼んだんだから」
「でも実際の話、焦点を絞って念じないと、たいていの場合、被害が大きくなるわね」
 お母さんは他にも失敗の経験談がありそうな感じだ。

「具体的にはどうすればいいの?」
「構造のわかってる物については、作用するべき部品をイメージすると成功するわ。例えば、インクの出にくいボールペンなら、ボールの汚れを消滅させるイメージとか。でも原因がインクにあるなら直らないわ」
「ふーん」
「力の作用の基本は切断や変性だから、何も無いところに物を出現させたりすることはもちろん出来ないの」
「なんとなくわかってきた」
「自転車や自動車の運転と一緒で、ある程度使い込まないと上手にならないわよ」
「やっぱりそうかぁ……」
「王女たった一人だけの苦労よね。専属の先生とお母様以外誰にも相談できないし。その先生もその家に伝わる知識を伝授してくれるだけで、実際自分が使えるわけではないから」
「あたしの場合はお母さんだけしか頼れないんだ」
「そうね。しかも力があなたに移る時は、あなたはおじさんと対峙しなくてはいけない時だから、練習する時間もないのよねぇ」
「あーん、そんな呑気に言わないでよぉ!」
「たぶん、その狙いもあるからその時期に調教をはじめるんだよ思うわ。それは珠里の試練よね。今からイメージトレーニングでもしておくと少しは違うかもね」
「あーもう、お母さん緊張感ないなぁ!」
「ごめんね、こればかりは体験してもらわないとどうにもならないのよ……」
 よく見ると静かな口調で言いながら、お母さんがは涙を浮かべてた。
「ご、ごめん、お母さん! なんとかなるよ。あたしがんばる」
「グスグス……」
 それ以上お母さんを慰める言葉も元気づける言葉も思いつかなかった。
 でもそんな不安定な力を使っておじさまをやっつけられるのかとても不安だった。

「ただいまー。 ……どうした?」
「あ、お父さん、お帰りなさい。 お母さんに力のこと教わっていたんだけど……」
「この木クズ臭い匂いがそうか? アレをやったのか?!」
 お父さんは急に真剣な表情になった。
「それ、割り箸だよ。お母さんにお手本見せてもらったの」
「ひ!」
 お父さんの顔色が真っ青になった。
「…… お父さん、どうしたの……?」
「プッ! プハハハハハハ!!」
 今までメソメソ泣いていたお母さんが急に笑い出した。
「お、お母さん……?」
「アハハハ、あー急に思い出しちゃった。あなた一番間近でご覧になりましたものね」
「あ! ゴキ……?」
「ちがうちがう。あれはあたしがあなたの齢の時だから、お父様はまだその席にはいなかったわ」
「それじゃ……?」
「あのね、プクク…… あなた、せっせとお忍びで城下へいらして、いかがわしい本をあんなに…… 今でもそうですけど」
「こ、こら、おまえ!」
「いかがわしい本って……?」
「女の人を縛ったり閉じ込めたり……」
「ちょーっと! お母さん! 何よ急に!」
「国王があんな本を見ていいんですか?」
「そそそそそ! おままままま! じゅじゅじゅ!」
 お父さんはかつて見たことも無いほど激しく狼狽し、急に口をつぐんで天井を見上げた。
 そしてしばらくしてからゆっくりと口を開いた。
 まだ手に通勤鞄を持ったままだった。
「娘に自分の恥を晒してばかりだが、事ここに至っては珠里のことが最優先だ。これも国王の勤めなのか……」
 話題はエッチにかかわる話なのに、お父さんの横顔は本当に王様の風格だったので、もう少しで吹き出すところだった。
 お父さんは鞄を置き、背広を脱いで椅子の背に掛け、ネクタイを緩め、私の向かいに座った。
「性的なことを娘に解説するのが男親にとってどれほど恥ずかしいか、わかってくれるね?」
「あ、うん…… あ、でもあたし、あんまり気にしないから……」
「そんなあけすけなところはお母さんそっくりで本当に助かるよ」
「アハハ」
「つまりだな、歴代アナムネの王は嗜虐癖を持ち、后や王女は被虐嗜好を持つ、ということだ」
「要は王様はSでお后や王女はMってこと?」
「じゅっ!」
「じゅ?」
「珠里! お、おまえいったいどこでそんなこと……」
「みんなわりと普通に知ってるよぉ。あ、も、もちろん、知識だけだけどね」
「そ、そんなものなのか…… なら、そういうことだ。 フーゥ、汗かいた」
「あのー、怒らないでね? この際だから聞くけど、お父さんもそーゆー趣味で、お母さんもそーゆー趣味?」
 お父さんは、ボン!と音がしそうなほど真っ赤になった。
「お父さんはね、特にそんなことしなかったわ」
 お母さんがニコニコ笑って口を挟む。
「そうなの?」
「その代わりなのかしら、さっき言ったようないかがわしい本を溜め込んでて、それをあたしが見つけちゃったのよ。今でもそーですけど」
「だーかーらーそれは代償というか……その……」
「それがイヤなんです! やりたいならやりたいで堂々と言って下されば……! もともとそういう気はあるんだし! それをコソコソあんな本で……」
「お、お母さん? ス、スゴイごと言ってるよ……?」
「あ…… あら、あら……」
 いまさらポッと赤面する。
「まさか、お父さんが間近で見たのって……」
「そう、あたしが頭にきてその本の山をね……」
「ひーっ!!」
「なんかお父さんのトラウマになってるみたいよ?」
「この件に関してはお父さん慰めたりしちゃダメだからね」
「あう……」
「すごい紙の粉だったわ。あれで火でもついたら粉塵爆発で王宮ごと吹っ飛んだかもね」
「お父さん…… ごめんね…… つまんないこと蒸し返しちゃって」
「あー、ゴホン。 ま、その、つまりだ、弟はおまえの性的嗜好をうまく操っておまえに言うことを聞かせようとするだろう。それに注意しなさいということだ。ゴホッ!」
「わかったよ。ありがとう、お父さん」
 お父さんは背広と鞄を持ってキッチンを出た。

 ――ピロリロリロリロ――

 ――ピロリロリロリロ――

 突然、電話が鳴った。
 不思議なもので、運命に直接影響を与える電話というのは着信音が鳴っている時から激しい胸騒ぎがする。

「はい、御門です」
 お母さんが電話に出る。
「……はい? どちらさまですか? ……ええ……はい……」
 見る見るお母さんの表情が凍りつく。
 受話器からこぼれんばかりの大きな明るい声が響いているが、内容は聞き取れない。
 お母さんの表情を見なければ、深刻な内容の電話だとはとても思えないだろう。
「はい…… 分かりました…… 伝えます……」
 ガチャリと受話器を置いた。

 お母さんは電話の前でしばらくうなだれていたが、涙をいっぱい溜めた顔をこちらに向けた。
「ウッ!」
 何か言おうとして、プンとお母さんの鼻が出た。
 あわてて手で顔を覆う。
「ウッ…… ウッ…… ウッ…… わかってた電話なのに…… だめね…… あたし……」
「お母さん、大丈夫?」
「グスッ…… 日程を伝えてきたわ…… 誕生日の一週間前に迎えに来ますって……」
 さっきまでの不定形な不安が、突然定着液をかけられたように形を成した。
 私が調教を受ける日までの日数まで決まってしまった。



§§ 告白 §§

 何も把握できない不安。
 予測不能がもたらす焦燥。
 混沌とした憂鬱な日々が過ぎて行く。
 力のイメージトレーニングなんてやってない。

 私がおじさまの所へ行く日まであと1週間。
 学校は今日から夏休みになった。
 私は昔から誕生日が憂鬱だった。
 8月生まれなので夏休みだから、友達にお祝いしてもらったという記憶が無い。
 もちろん、家族では祝うし、そこに絽以も居たりするけど。
 今まで家族にしか祝ってもらえなかった誕生日をこんなに意識することになるなんて。

 絽以が遊びに来た。
 絽以の方がやつれている感じだ。
「もう、あまり日がないね」
「うん…… そだね…… でも、あんまり考えないようにしてるんだ」
「俺が代われたらなぁ」
「女装して行く? あたしのパンツ、絽以に穿けるかなぁ」
「バカ! 人が心配してるのに茶化すなよ」
「ウフフ…… 絽以、逞しくなったね」
「な、なんだよ急に」
「だって、昔はあたしの方が棒振り回して……あれ? いつの話だっけ」
「珠里! 記憶が戻って来たんじゃないか?」
「ほんと!? ……でもそのくらいしか思い出せないなぁ……」
「でもその兆しがあったってことはそのうち戻るんじゃないか?」
「あたしが見てた夢ってアナムネの記憶なのかな」
「きっとそうだよ」
「絽以とずっと遊んでたけど、親戚だったなんてね」
「あまり意識したことないなぁ、今でも」
「絽以……」
 二人で面と向かって話をするチャンスなんてなかなか無かった。
 でも、こうしてみると私の心の中の絽以の存在って、友達以上であることは間違いない。
「珠里…… もう時間が無いから思い切って言うよ…… いまさらだけど…… その……好きなんだ……」
「ふーん、それはありがとう…… へッ!? ちょ! ちょ! ちょ!」
 こんな時にいきなりコクられてどうしていいかわからない。
「あ! あのさ! ろ、絽以とはずっとお友達みたいな親戚みたいな兄弟みたいな……!」
「別に、一方的にコクってるだけだから、返事なんていいよ。後悔したくないってだけの俺のわがままだから」
「あああ、あぅあぅ…… ええと……」
 答えに窮していると、気を遣ったのか絽以が突然話題を変えた。
「あのさ、俺考えたんだけど、王妃様まだ力あるんだろ? それで相手をやっつけられないのかな。そうすれば珠里はこのまま暮らせるよね」
「あたしもそれ聞いたの。そしたら、相手が目の前にいるか、場所が特定されて完全にイメージできないとダメなんだって。だからおじさまは姿を表さないで、回りくどいメッセージの伝え方をしているらしいの」
「なるほど…… 直接会う可能性のある珠里にしか、相手をやっつけるチャンスは無いってことか」

 急に調教のことが現実味を帯びて来た。
 心細くなったら、急に絽以の存在が大きな暖かなものに感じられてきた。
「あたし…… 耐えられるかな……」
「珠里なら大丈夫だよ」
「あのね…… 王家の娘はMになり易いんだって……」
「Mってマゾヒストのこと?」
「うん…… ねぇ絽以、あたしがなんとかここに戻って来れたら、グズグズのマゾに調教されちゃっててもあたしのこと好きでいてくれる?」
「も、もちろん。絶対に。」
「ありがとう……絽以…… あんまり突然で、あたしの気持ち、まだ整理できないけど、あたしもきっと絽以が好き。ううん…… 空気みたいに一緒にいたけど、きっと離れては暮らせない」
 何とも言えない感情に動かされて、そのまま絽以の首に抱き着いた。
「おいおい、珠里…… ムんッ!」
 そのまま私の方から絽以の唇を奪ってた。
 私は口だけ重ねてたのに、絽以が舌を入れて来た。
 うわぁぁ、キスってこうするのがホントなんだ……
 蠢くザラザラが気持ち良くて、抵抗無く自分の舌を絡め、積極的にザラザラを味わった。
 私が舌を絡めて来るのは絽以も予想外だったらしく、舌を動かすのをやめ、今度は軽く吸ってきた。
 なんか面白くなってきて、力いっぱい吸い返した。
「ムぷぁッ! おまえなぁ! ムードも何も無いなぁ……」
「エヘヘヘ、ごめん……」
 笑いながら自分のげんこつの甲で口を拭う。
「あーっ! キスのあとをそんなことして! ひでー!」
「あ、ご、ごめん」
「チェッ、珠里なら大丈夫だよ。こんなガサツなやつがエロエロな奴隷になるわけないって」
「そだね。アハハハハ」
「アハハハハハ」

 しばらくマジで笑ってたけど、笑いが途切れたらまた気分が暗めに戻ってしまった。
「ほんとは絽以にこの場でヴァージンあげたい……!」
「だめだよそれは。力をもらう前にそうなっちゃったらもう二度と力は手に入らないんだろ?」
「それでもいいよ! そうすればおじさまだって諦めるだろうし」
「バカ! アナムネのみんなはどうなるんだよ!」
「見たこともない国民のことなんて知らない! あたしが生贄になっても、誰も有り難がらないわ!」

 ―― バシーーン!! ――

 マジで壁際の箪笥の前まで飛ばされた。
 左のほっぺたが、火がついたように熱い。

「それで…… それで済むなら…… とっくに珠里を犯してたよ。たとえ恨まれても……」
「ごめん…… ……またやっちゃった…… あたし、王女失格だね」
「ごめん、つい……手が……」
「アハハ、このまえお父さんにもやられちゃったばかりなの」
「おっ、王様が? それはすごいな…… でも、自覚ないのも仕方ないか…… 俺が珠里の立場でもきっと同じように考えるよ」
「ううん、あたしが悪いの。決められた通りに生きるのも人生のうちだって納得したはずだったんだ。アナムネで暮らしてたら、もっと窮屈な生活だったかもしれないもんね。充分楽しかったよ、今まで……」
「王様の計画通りになるように頑張れよ」
「うん」


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