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  えっち  








§§ えっち1 §§

 それから2、3日、淡々としたユックさんとの生活が続いた。
 ユックさん料理上手〜!

 絽以と会ったり、宿題したり、その他貞操帯やピアスを日常に馴染ませるための色々なパーツ(ブラとかパッドとか)を買ったりして過ごした。

 私はもうすぐ危険日に入っちゃうので、絽以が誘ってくれないかと毎日心待ちにしていた。
 だからって私の方からおねだりするのは恥ずかしすぎた。

 今日も絽以が遊びに来た。
「よう」
「どう? 進んでる?」
「あと世界史のレポートだけだ。レポートって何書いていいかわかんねぇよな」
「フフフ、あたしたちなんて世界史より波瀾万丈かもよ」
「そうだな……」
 絽以が妙に暗い顔をする。
「どうしたの? 元気ないじゃん」
「えっと…… その…… あの…… かかかかかか」
「何よぅ」
「かかか鍵って、いつもらえるんだ?」
 そう言い放って、俯いてテレまくっている。
「あ! ご、ごめんね! すごく大事なこと、すっかり忘れてた」
「い、いや、忘れてただけなら、いいんだ…… えと、じゃあな……」
「ちょ、ちょっと何よ! もう帰んの? 待ってよ…… あの…… しないの?」
「だって、おまえ、自宅でなんて……」
「ははーん! 妙だなぁって思ってたら、そんなこと気にしてたんだ」
「そ、そりゃぁ、気にするさ」
「そういえば今まで特別な場所ばっかりだったものね。だけど普通、自宅とかじゃない? ホテルへ行く程の齢でもないし、そんなお金もないよ? 今、両親とも居ないの知ってるくせに」
「うーん、だからそのスキにっていうのは男としてだな……」
「アハハハハ! 妙なところで律義なんだから。うちの両親、知ってるよ?」
「ゲー! まじかよ!」
「うん、あの日の朝、ニルさんが相談しちゃったみたい。結局筒を抜いてすぐヴァージン捨てないと、またそういう事件に巻き込まれる可能性がゼロじゃないでしょ?」
「そ、それはそうだけど」
「抜いた直後に、私がソレ欲しくてたまらなくなることも知ってたみたい」
「それで俺に『絶対ここに居ろ』って言ったんだ」
「だから…… ね?」
「わかった。 もう傷はいいのか? それが一番心配だった」
「うん、もう大丈夫」
「よし、それならヤルぞ。俺、ずっと濃厚にやるつもりでいたから、覚悟しろよ?」
「きゃ〜〜! たすけてぇ〜〜!」
「バーカ」
「きゃっ! ム……」
 ベッドに腰掛けて絽以と話してたので、そのまま押し倒され、口を唇で塞がれた。

 唇が一旦離れ、軽くジャブを繰り出すようにチュッチュと何度も吸う。
 ナントカキスという名前があった気がするけど、そんなことはもうどうでもいい。
 ベッドに腰掛けたまま仰向けになっている私の態勢に会わせるように、絽以が体の位置を変え、顔を少し斜めにするようにして口を重ねて来る。
 唇の接触面積が最大になるキス。
 お互いの舌を絡め合い、これでもかというほどこね回す。
 ぐちゅっと唾液を飲まされた。
 ちゅむっと送り返すけど、下にいる私の方が不利。

 口の圧力を少し引き、舌をレロレロと軽く合わせる。
 ぐちゅっとまた唾液を流し込まれ、ゴクリと嚥下させられる。
 そんなに飲ませなくても……
 ぐちゅっとまた唾液を流し込まれ、ゴクリと嚥下させられる。
 ぐちゅっと…… また……
 またぐちゅって…… しつこいよ。
 ぐちゅ…… もうしつこい。
 しつこいけど……
 あハァ……
 どんどん絽以の唾液という体液を流し込まれ、絽以の思いどおりにされるような気分になってきた。

 わざと口を離したまま、舌と舌を絡める。
 口と口の間に糸引く唾液の粘り気が、私達の行為の嫌らしさを強調する。
 知性も嗜みも捨てたような行為に、体の芯の淫らな部分が反応する。

「はふっ! れろっ! れろっ! れおぅぅ! ンむむ……」
「くひにらひていうらお…… ムーーーー!」
 絡めたり、喋ったり、思い切り吸ったり、もう目茶苦茶で口の周りがべちゃべちゃ。

「珠里、今日の約束な?」
「ン…… 約束って…… なに……?」
「感じたこと、すべて口に出すこと」
「ン…… いいよ……」

 絽以の顔が下がる。
 この間に手の甲で口を拭う。

 普段着にしてる着古したTシャツの上から、乳首の先に口を近づける絽以。
 その下にはまだブラとパッドが邪魔してるんだけど、胸にアプローチされる感じが期待感を盛り上げ、心臓がドキドキする。

 絽以の線の細い整った顔が、目の前の2つの膨らみをかすめ、男とは思えないほどの整った唇が、軽く軽くTシャツの頂点をなぞってゆく。
 こんどは鼻先でフンフンと同じように頂点をなぞり、それからやおら両手で胸を鷲掴みにした。
 優しい鷲掴み。
「ん、工夫してるんだ。ちょっとでかくなったなーとは思ったけど」
「ウン…… 苦労してんのよ」
「捲るぜ?」
「うん……」

 お腹から胸までTシャツが捲られ、大きめのブラが現れた。
「おほっ、おっきいな。もともと大きいのに詰め物をかますとこんなになるんだ」
「ヘン……かな?」
「俺は中身しか見ないタイプだって知ってるだろ? ぜんぜん気にしない」
「ありがと」
「背中、浮かせろよ」
「……こう?」
 するっと手を潜り込まされ、背中のホックを外された。
 早ッ!!
 ちょっとおどろいた。

 アンダーバストから上方向にブラを捲られた。
 パッドはベルクロでブラの内側に着けるようにしたので、ブラごと持ち上がってしまった。
 パッドの切れ込みに収まっていたピアスがポロンとこぼれ出る。
 まだ勃起のゆるい乳首が、思いの外引っ張られてビクッとした。
「アァン……」

『きもちよくなりたい!』って叫んで、自分からお願いしてしまったピアス。
 見た目には調教や処刑の1ステップに思われるこのピアスは、私にとっては淫らになり切ることを自ら認めた証しなので、じっと見つめられるとそれを責められているように感じる。

 乳首を見られる恥ずかしさと、それがいつも緩く勃起したままになってる恥ずかしさで、ドクドクと顔に血が昇る。
 間近で見つめる絽以の鼻息がかかり、凝視する視線が痛い。
 あふっ……
 そんなに見つめないで……
 乳首が尖っちゃうぅ……

 眉を寄せて顔を斜めに逸らすと、絽以がちょっと怒ったように言った。
「おい、約束は?」
「ンなによぅ……」
「『感じたこと、すべて口に出すこと』って言ったろ?」
「あ……!」
 とたんにゴーーッと頭に血が昇り、ゆでだこのように真っ赤になる。
「い、いやっ……!」
「じゃぁ、今日はここまで」
「ひ! ひどい! ……言う、よォ…… 言うゥ!」
「どうぞ」

 コイツはねちこいオッサンか!
 どこでこんなこと覚えて来るのよォ!
 とんでもない約束しちゃったぁ。

「あふ…… ……いやっ!」
「はやくぅ」
「『あ、あふっ……。 そ、そんなに……見つめ、ないで。 ちちち乳首、尖っちゃう』ひいっ!」
 恥ずかしくて死にそう。
 なのに股間は大洪水だ。
「もうコチコチだぜ」
 左右の乳首を同時にコリッと捻られる。
 ビビビビビ!と電気が胸の奥へ走る。
「ひいっ! 感じちゃうぅっ!」
「いいね、素直で」
「『こ、コイツはオッサンか?!』」
「それ、逆襲のつもり?」
「うん」
 きゅーーーーっ!と摘ままれる。
「アアアーーン! もっと感じちゃう! 少し乱暴にされるのがイイのォ!」
「おっけい」
 ピアスホールが傷にならない程度のテンションで何度も乳首を引っ張られる。
「アアーーーーッ!!」
「アアーーーーッ!!」
「アアーーーーッ!!」
 胸板の奥から快感が引っ張り出される感じ。

 絽以が手を離した。
 乳首が熱い何かに包まれる。
 乳首しゃぶられてる!
「あッ! あッ! あッ! あッ! あッ!」
 チューッと吸われる!
「吸っちゃダメぇぇええ!」
「おっけい」
「……吸ってよ、イジワルぅ……」
「おっけい」
「アアーーーーッ!!」
「アアーーーーッ!!」
「アアーーーーッ!!」
 言いように絽以に翻弄される。

 乳首を舌先で転がされ、前歯で甘噛みされると、ズバーーンと冷や汗を伴ったすごい快感が体を吹き抜ける。
「イーーーーッ!」
「キーーーーーーーッ!!」
「乳首で飛ぶ! 飛んじゃうよぉぉ!!」

 指先の爪に近い部分で、左右の乳首を同時につねられる。
「ひーーーーーーッ!!!」
「アーーーーーーーーーッ!!」
「許して!」
「許して!」
「胸が締まって息できないのォォ!!」
「ゆるさない」
「あーーーーーッ!」
「やーーーーーッ!」
「アヒッ!」
「アヒッ!」
「アヒッ!」
「アヒ!」
「アヒ!」
「アヒ!」
「アヒ!」

 ぎゅうーーーーーんと体がのけぞって、胸だけでイッた気がした。
 それほどまでに執拗な責め。

 こんな、こんな、高められてから、アソコ触られたら、死んじゃうかも。
「ほら、ちゃんと言って」
 なぜバレるのよぅ……
「こんなに、高め、られて、ひいっ!」
「アソコ、さわっ、さわられたらっ、ひいっ! しん、しんじゃうかもっ! あう」
「珠里が快感でしんじゃうとこ、見てみたいな」
「キャアアアア!!」
「鍵は……?」
「そこの衣装ボックス…… やぁぁああ……」

 一瞬絽以が離れ、ごそごそ漁ってからすぐ戻って来た。
 ハゲワシについばまれる野ざらしの死体のように、ぐったり倒れたまま無抵抗な私。



§§ えっち2 §§

「スカートって、こうでいいのか?」
「うん」
 サイドのチャックを降ろされ、ホックを外された。
「腰上げろよ」
「やぁぁぁあ!」
「えい!」
 1回だけすねて見せようとしたら、強引に抜き取られちゃった。
「うわああああああ!?」
「なによぅ……!」
「あ、スカートにまで……」
「い、いやっ……!」
 シミだ!
 染み出ちゃってるんだ!

「パンツ、取るぞ?」
「うん……」
 今度は素直に腰を上げる。

 パンツを抜き取る時、きぬ擦れの音がしない。

 ―― びちゃ! ――

 『びちゃ!』って、まさか!

「えーと、たぶんスカート洗濯だろうから、尻の下に敷くぞ?」
「えっ? ……うん……」
 また腰を上げると、ゴワゴワする布がお尻の下に敷かれた。
「いやーやっぱり金の塊って凄いよな。それにこの宝石! これ、こっち来てから磨いた?」
「うん……」
「でも、一番の宝石は…… 今から出すぜ」
「ひッ!」
 絽以は鍵束をチャラチャラ言わせ、鍵を一つ取り出すと、ベッドの縁からはみ出ている私の足を開かせ、股の間に近寄った。
「ちょっと!」
 首だけ起こしても、何をしようとしているのか見えない。
 小さな挿入音がして、小さな解錠音がした。

 腰回りはガッチリ貞操帯に包まれたままなのに、一番中心のあのミゾから絞り出されてる、おま○このビラビラがフッと緩んだ。
 でもビラビラは絞り出されたままだ。
「すげぇ! ここってこんなになってたんだ。ん? ちょっとシッコ臭いな」
「ヤダヤダ! やめてよぅ!」
 足を開いたまま、絽以の体の左右でバタバタ動かす。
「気にしないってば。いきなり訪ねて来たのは俺だしな」
「あたしが気にするのッ!」
「いいから。 ……しかし、ここ、こんなにみっちりぷっくり絞り出されて、痛くね?」
「ううん…… き」
 言葉を飲み込んだ。
「『き』?」
 聞き逃せよ!! もうっ!
「言って見ろよ。 『き』?」
「き…… きもちいいのォっ!! あーん!」
「そうだろうなぁ、この溝の上の蓋を取ったら、中でピンクのビラビラがトロトロに光って、みっちり広がって、男の俺が見ても、すごい淫らな刺激をずっと貪ってるんだってわかるもの」
「言わないでぇ……」
「さて、俺がいじりたかったのは、これ」

 ゾッ!と物凄い快感が走って、体が硬直した。

「ふーん、あのピアスってこっち方向に固定されてんだ。クリトリスはこの中でちゃんと前に出るようになってるのな」

 い!
 ひ!
 ソレをいじるつもりッ!?

「小指なら届くかな?」

 うそ!
 やめてッ!

「これか」

 ビクーーーンと体が硬直し、全身の毛穴が開き、汗がドッと出る。

「ハアッ…………!」

「これって、女の子のちんちんだろ? ちんちんいじくるならもう任せとけってカンジ」

 な! なに言ってるのッ?!

「アーーーーーーーッ!!」

 脂汗が飛び散り、激しく硬直する。

「つよいよッ! おちんちんよりぜんぜん小さいんだからッ! そこへ同じだけの神経が全部集まってるンだからッ! もっとそっとやってよッ!」

「あ、そうか、悪りィ」

 今度は今までより遥かに軽いタッチ。

 ぶわーーッと風に乗り、飛ぶ。

 ひーーーーー!!

 そっとそっと擦り上げられてるだけなのに、全身がバラバラになって、空気になって、風になって、舞い上がる感じ。

 ひーーーーー!
 ひーーーーー!
 ひーーーーーーーーーーッッ!

 飛ぶ!
 飛んじゃう!

 ああ、口に出して言うんだっけ……
 言わなきゃ……

「飛ぶよぅ! 飛んじゃうよぅ!」

 キュッ
 キュッ
 キュッ
 キュッ

 キュッ
 キュッ
 キュッ

 擦る速度が上がった。

「アーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 突然、目の裏が真っ白に光って、なにがなんだかわからなくなった。


「イッたのか?」
 白い雲の向こうから、絽以の声。
「うーー。」
「そうか。しばらく動かなくなったからちょっと驚いたぜ。もうやめるか?」
「ばかぁ…… いちばんだいじなこと、してないじゃん」
「もう疲れたかと思った」
「ちがうのぉ…… 高められすぎて…… 欲しくて欲しくてたまらないのぉ…… ここやめられたら、狂っちゃう……」
「わかったよ」

「鍵、あけて……?」
「うん……」

 絽以がメインの鍵をおへその真下にあるロック部に差し込み、左に3回まわして解錠する。
 スリットからラビアがトロリと抜け、固定されていたピアスがポロリと落ちた。
「はンッ!」
 ピアス自身の重さ分だけの刺激なのに、敏感になったクリトリスに快感の電流が走る。

 お尻の下から貞操帯を抜き取るついでに、ベッドに正しく寝直し、絽以も全部脱ぐ。

 真っ昼間の閉め切った部屋にエアコンの低い唸りだけが響く。
 窓に映る夏の霞んだ青空が、こんな時間に濃厚えっちしている私達を呆れて見下ろしている。



§§ えっち3 §§

「待って」
 上半身を起こす。
「あ」
 私を跨いで膝立ちしている絽以が照れ笑いをする。
 こっちに狙いを定めた赤黒い絽以の肉の棒から、透明なおつゆがトローリと垂れたからだ。
「プッ! なーんだ、絽以だって恥ずかしいお汁(つゆ)をトロトロ漏らしてるじゃん」
「『恥ずかしいお汁』言うな!」
「やーいやーい、恥ずかしいー!」
「こいつ」
「ふーんだ。あむっ!」
「わ!!」

 目の前でドーンとこっち向いたソレをパクンと咥えた。
「ちょ! 待てッ! ごめ! 汚い! 今朝風呂で洗ってから1回シッコしてるんだ。汚いよ」
「フフフフ…… おあいお」
「咥えたまま喋るなぁあ!」
「ンぱっ…… 『おあいこ』って言ったの…… あむっ!」
「お! そ、そりゃそうだけどおおおおおお、おーーッ! ソコはッ!」
「ぷあっ…… いいの? 感じる? ……あむっ!」
「すご…… おおおお! ソレっ! それ、何度も!」
「ふぉう?」
「イテ! だから咥えたまま喋るなってフォオオオオオ!!?」
 大口で咥えて、少し吸いぎみにして、舌の先でおちんちんの先っぽを包むようにして、頭を前後に動かした。
「おうっ!」
「おうっ!」
「おうっ!」
「おうっ!」
「ちょっと待てーーッ! ハァハァ……」
 ガシッと頭を抱えられて止められた。
「んばっ…… なによぉ!」
「ハァハァ…… いや、死にそうにきもちいいんだけど、今日は珠里のためだから、ここで出しちゃうとパワーが減りそうで」
「年寄り臭ッ!」
「バカ、全力ソコへ注ぎたいんだよ!」
「わかってるよ…… ありがとう…… ……来て……」
 にっこり笑って、絽以を見つめたまま、両手を差し出しながら、ゆっくり仰向けに寝る。

 絽以が足元へ下がり、私の足を跨ぐ格好から、私の足の間に入る態勢に変えた。
 一番最初もそれなりに満足したけど、おま○この中を納得いくまで擦り上げられる感じってどんななんだろう。

 足を抱えられて軽いM字にされる。
 おま○こに入るものを邪魔するように垂れるピアスを、絽以がそーっとお腹方向へ跳ね上げる。
 この位置だと、跳ね上げられたピアスと、無毛にされちゃった割れ目の間で屹立するピンクの尖りが直接見える。

 絽以が膝で一歩進む。

 華奢な体に似合わず大きくて赤黒いソレの先端が、ピンクの尖りの向こうに見えなくなったとたん、入り口に熱い塊を感じた。
 位置合わせに一瞬手間取り、ちょっと前とちょっと後ろをチュッチュッとノックした後、先端がぐぶっと潜り込んで来た。

「はふっ……!」

 入り口は、まさに序章。

 本当に求めていたものの到来を告げ、期待感を煽る刹那。

 絽以が腰を進めると、クライマックスへ向かって、めくるめく快感のページが、風に捲られる本のようにバババババ!っと進んで行く。

「アーーーーーーーーーッ!!」

 同じ「アー!」でも、クリトリスや乳首の時と違い、喉を通す空気を溜めて溜めて絞り出す「アー!」。
「ァはあッ!」の「あ」の音だけを強調して伸ばした「アー!」。

 頭蓋の中が、性の嬉しさで満たされ、本当に好きな人と繋がる満足を噛み締める。

 絽以のモノが膣の終端を突き上げる。

 全部呑み込み、全部満たされた充足感。

 たまんない……

 たまんないよ……

 最高にきもちいい……


 快感の死上点から、こんどはゆっくり抜かれる。

 かすかな寂しさを伴って、その実質が去ってゆく。

 しかしその寂しさは再開への期待。

 すべて抜き終わらぬうちに、再びズドーーンとまみえる。


「ふああああああっ!!」


 絽以が極めてゆっくりのストロークで突いてくる。

 肉棒と肉壷が逢瀬を繰り返しながら、一突きごとに快感を高め合う。

「ああーーーーっ」

「ああーーーーっ」

「ああーーーーっ」

「ああーーーーっ」

 この期に及んで、何をためらう必要があるだろう。
 良い意味で貪り尽くし、良い意味で淫らになり切る。

「キスしてよ、絽以」
「ン……」

 快感の波間で揺れる小舟の上でのキス。

 体かゆらめくけど、唇は離さない。

 絽以がそっと唇を離し、腰のスピードを上げた。

「あああーーーーっ!!」

 まだ先があるなんて!

 牛丼と親子丼とウニイクラ丼を一度に食べたら、味が混ざって、うま味の足し算はできない。
 でも快感はこんな風に、足して混ぜて上乗せしていけるんだ。

 快感を口一杯に頬張らされ、無理矢理咀嚼させられる。

 異種のうま味が混ざり合い、理性的な脳は簡単にオーバーフローする。
 代わって淫らな脳がフル回転し、『もっともっと』と煽り続ける。

 パンパンと恥ずかしい音を規則的に響かせ、絽以が奥まで突きまくる。

 上り詰めたはずなのにもっと上り詰め、限界の見えない恐怖に一瞬だけ身を固くする。
 しかしそれはすぐに次の限界への期待に変わり、快い汗の飛び散る爽快感が積み重なってゆく。

 頂点まで登ったジェットコースターが、そのまま水平に滑空しはじめるとしたらこんな感じかも知れない。

 「イ…… ク……」

 「ト…… ブ……」

 辛うじて口に出来た言葉はたった2つだった。

「ウッ! くっ! まだ約束は続いてるぜ! もっとちゃんと言えよ!」

 ―― パン ――

 ―― パン ――

 ―― パン ――

 ―― パン パン パン パン ――

 ―― パン パン パン パン ――
 ―― パン パン パン パン ――
 ―― パン パン パン パン ――


「あああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

「言えよ!」

「やぁぁ…… イ・ク・ゥ〜〜〜〜〜〜〜!」

 強制されて、登り詰める瞬間をきっちり宣言する。

 思ったより激しくない絶頂。
 と思ったら、それは入り口だった。
 どうなってるのか分からない。

 真っ白な光の洪水の中を、スーーッと滑るように飛ぶ。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 このへんは声を出してたかもしれないけど、自分では分からない。

 つぶれたようなうめき声を出し続けていたようにも思う。

 とにかく全身がビクビクガクガウしちゃって、バラバラになりそうだった。
 それなのに、温かくって、気持ち良くって、幸せに満たされている。

 ずーーーっと、ずーーーっと、深く、長く、イッている。

 悪いけど、絽以のことを気遣う余裕はゼロだ。

 快感、独り占め。

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 「〜〜〜〜〜〜〜〜」

 フッと少し意識が戻ったら、その瞬間にパン!パン!と、お腹破られそうなほど突き込まれた。

 突然、お腹の奥がどかーんと暖かくなった。
 いや、熱くなった。
 それが拡がった。
 そして溜まった。

 ゆっくり、ゆっくり、馴染んで行く。

 ゆっくり、ゆっくり、染み込んで行く。

 絽以が出したんだ。

 すごい幸せ。

 もう比喩の言葉すら思いつかない。


 ……

 差し込まれたまま抱かれてる。

 すこし萎みはじめた絽以のモノを、私が勝手にムニムニ揉んでいる。

 やっと呼吸が落ち着いてきた。

 絽以の重みを感じる。

 ちょっと重いよ。

「ン…… 重……」
「悪り……」

 ずるんと抜いて、絽以がゴロンと仰向けになった。



§§ あふたーえっち §§

 私のベッドに、絽以と二人で仰向けに並ぶ。

「珠里、ナカ気持ち良すぎ」
「そ、そう? あたしもスゴイ良かった。ありがとう……」

 ゴロリとお互い向き合い、見つめ合いながらキス。

 そういえば、ヤッてる最中はキスする時目を瞑ってたかも。

 挨拶程度に軽く舌を絡め、すぐに離す。

「さーて、シャワー使おうかな。絽以は?」
「俺あとでいい」
「うん、じゃお言葉に甘えて」
 貞操帯と鍵と部品、それに着替え一式を持って、素っ裸で階段を降りた。

 満たされた気持ちで全身を洗い、貞操帯もきれいに洗った。
 キュッキュッとシャワーの水栓を閉めてたら、股から絽以のがどろりと垂れた。
 あーん! 洗い直し。

 まだ少し垂れて来そうな感じがするけど、もういいやって貞操帯嵌めちゃった。
 今回初めて、おま○んこを覆うプレートを後から着けてみた。
 うわ。
 なんだか醜怪な、真っ赤な縦長の虫みたい。
 中心の溝を少し開くようにして、ビラビラを左右に分け、細長い部品で蓋をして鍵を掛けた。

 湿気が多くて体の乾きが悪いけど、さっさとブラ着けて、パンツ穿いた。
 パンツには念のためおりものシートを貼っておいた。
 新しいTシャツとスカート着て、お風呂場を出た。

 トントンと階段を登る。
「お先」
「おう」
 絽以はもう服を着ていた。
 そうだよね、ひとんちで裸でウロつくわけにいかないもんね。
「じゃ、シャワー借りるな」
「うん」

 ベッドに座ると湿り気が気持ち悪い。
 ベッドの温もりは快感の残照に思えるけど、こうジットリしてると生々しすぎる。

 ドロドロのスカートごとシーツを剥がし、洗い立てのものと交換した。
 床にはパンツがあのまんま。
 それもシーツに一緒に丸め込み、抱えて下まで降りた。
 洗濯機に突っ込んだらちょうど絽以が出て来た。

「あ、ちょうど良かった。なんか飲も?」
「おう」
 キッチンのテーブルに座ると、ユックさんが来た。

「お疲れ様でーすッ! なんか振動の伝わり方にも王家のたしなみを感じますー!」
 ユックさんは自分のテレ隠しを兼ねて、なんとか賛辞をひねり出したんだろうけど、私達は二人して真っ赤になった。

「あ、そうそう、おちゅーげんって便利ですねぇ! 勝手においしいもんとかドンドン送ってきて。コメドゥ様といた時はこんなの無かったですからー!」
「なぁにユックさん勝手に開けちゃったの?」
「エヘヘヘヘ、陛下はいいって仰せでしたよ?」
「べつにいいけど」
「うーん、俺、100%ジュースって気分じゃないなぁ」
「あたしも」
「こんなのもありますよー?」
「あ、ボトル入りのコーヒー! あたしそれ!」
「俺も」
「はーい、いれてきまーす!」
 んー、エッチのあとコーヒーってオトナな気分?





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