屈辱の調教

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「姫様、お召し替えを。と言っても姫様は貞操帯も国宝の枷も外せませんから、その上からお召し戴く仕様です」
「そんなものが、もうあるの?」
「お忘れですか、姫様の身体のサイズは既に公然と知れているのです。それにこれは多少の余裕をもって作られていて、微調整はストラップ式ですから」
「ひい」

 ティアちゃんが一旦首輪の鎖を外してくれ、私は言われるままにその革スーツに足を通した。
 ティアちゃんや他の隊員は革スーツ一体のブーツだけど、私は今履いてるのを脱げないので革スーツの裾はオープンで編み上げ式に閉じるようになっている。
 ブーツのまま革スーツの裾から足を出し、国宝の足枷の金具をスーツの裾のスリットから革の外へ引き出し、編み上げの紐でフィットするように締めると、ティアちゃんが紐の余りをベルト脇の穴に押し込み、裾をベルトでかっちりと締めた。
 反対の足も同様にして、革スーツのズボン部分を履かせてもらった。

 腰回りには何の仕掛けもなく、そのまま上着部分まで着せられ、左右の袖に手を通した。
 手もティアちゃんたちのは一体化した手袋だけど、私のは国宝の枷が邪魔なので手袋は別になっているようだ。
 足と同様、枷ごと革で手首までを包み、枷の金具を引き出す切れ目がある。
 枷ごと通るほどに大きく切れ込んだ袖を、編み上げ紐で密着するように締めると、余りの紐を始末し、手袋を嵌められた。
 手袋の方にベルトがあり、袖の紐を内包するようにベルトを締められると、一体で作られたもののようにきっちり繋がった。

 上着部分は後ろで締め上げる構造になっているので、先におっぱいをカップに合わせる。カップは少し大きめで、内部に国宝のピアスが収まる場所があり、上体を前に屈めて、下から被せるように納めたら、ちゃんとピアスごと収まった。
 でも外見はピアスの膨らみは無く、全体的にややバストが大きめになったように見えるだけだ。
 変な話だけどこれでも大変有難い。
 普通の人には理解してもらえないかもしれないけど、ピアスつけられてる人間って、すべての動作いちいち『ピアスに影響しないか』ってことが基準なんだよね。
 だからちゃんとブラとかで固定されていると安心感が全然違う。
 特にこれから何されるかわかんない時や、ハードな運動が控えてそうな時。

 胸をぴったり合わせられ、肩を包まれ、背中の切れ目を合わせられる。
 うわ、思ったより重い。
「平気ですか、姫様。特に胸のピアス」
「うん、凄くぴったりよ。でも重いわね、これ」
「中は薄手のプレートアーマー程の鉄板が入ってます。実質鎧の役目をするわけですから」
「じゃぁ、革を切っても……」
「脱げません」
「やっぱり…… ま、覚悟はしてましたけどね。それがお仕事ですから。それにこの上から鞭で叩かれるとかは無いわけじゃん」
「鞭は使いますが、戦闘時の意識伝達用ですね。調教では出てきません」
「あー良かった。痛いだけって苦手」
 ティアちゃんは私の話の相手をしながら背中を編み上げて行く。

「姫様、屈んで下さい」
 まだ新しい革をギシギシ軋ませて跪くと、ティアちゃんは私の背中に足を掛けて編み上げを締める。
「うぐっ!」
「ああっ! 済みません、姫様! いつもこうやって他の子のを締めていますので……」
「あはは、平気よ。でもこれで一杯に締めた状態だとしたら、ちょっと緩くない?」
「もともとこれは戦闘服ですから、さすがに運動機能を損ねるほど締めません。でもベルトである程度調整できますよ」
「なるほど」
 ティアちゃんは私の首まできっちり締め上げて、やはり後ろのベルトで襟元を完全に閉じた。
「お立ち下さい」

 前に回ってロッドシール公の嵌めた首輪の窓が見えるかを確認するティアちゃん。
「ああ、良かった。ちゃんと巻いてもらったのですね。私もなんとかこの首輪の仕掛けを調べて、外せるように努力します」
「うん、お願い」
 国宝の首枷の金具がちゃんと革スーツの襟から出ているのを確かめると後ろで紐を始末し、裾や袖と同じようにベルトで襟を留めた。
「戦闘用に緩めに出来ていると申しましたが、ベルトが余っては邪魔になりますし、股の開閉は独立したベルト式ですので、全体一通り締めますね」
「うん、おねがい」
 ティアちゃんが後ろに回ってカチャカチャやると、胸の下がギュッと締まった。
「苦しくないですか?」
「うん、へいき……」
 胸郭が圧迫されて苦しくないというのは嘘だけど、この程度のテンションはむしろ気持ちいい。
 次に胸の上もギュッと締められ、胸の上下が密着した。

 今度は腰を締められる。
 これは普通のベルトの位置だけど、バックルは自分で見ることのできる位置には無く、後ろの左右だ。
 そして、それこそT字貞操帯のように、腰を水平に締めるベルト構造から股をくぐって後ろで留める幅広のベルトが着けられる。
 これが股を覆う部品となるようだ。
「貞操帯が擦れませんか」
「平気だと思うけど」
「姫様らしくありませんね。このまま戦闘に出ることもあるわけですから、もっと動いて確かめないと」
「あ、そうか」
 私ダメだ、ボーッとしちゃって。
 屈伸したり膝を高く上げてみたりして腰に貞操帯が食い込まないか確認した。
「大丈夫よ」
「言いにくいのですが、姫様はしばらくはこのスーツを脱ぐ事は無いと思います」
「やっぱり」
「私は裸の上に直接着せられているので多少の汚れは大丈夫ですが、姫様は色々な装具の上からですので、傷や炎症が心配です」
「うーん、あまり酷かったらロッドシール公に直接言ってみるよ。それよりこれっておトイレどうなるの?」
「今取り付けた股のベルトを外せば、開口部はかなり大きいので、姫様でも貞操帯のままちゃんと出せますよ」
「あーよかった。なんか過去のイベントやらの私の扱いから考えると、これってかなりフツーじゃない?」
「いえ…… 多分、異常です」
「なんでー?」
「私はロッドシール公から姫様の調教を命令されました。私の心は半分普通で、半分調教されてしまっています」
「ちょ、調教って、どんな?!」
「い! いやっ! それは!言えません!」
「酷くエッチなことされたの?!」
「ち、違います! ロッドシール公はそのようなことは私に一切していません。しかし…… しかし…… いやあああ!!」
 ほんの僅かの会話でティアちゃんは半狂乱となり、どこかへ走って行ってしまった。

 私が呆然と立ち尽くしていると、数分でティアちゃんの声と足音がこちらへ近づいて来た。
「いやああ! いやああ! 姫様を殺さないで!お願いします! お願い! お願い……」
 複数の足音がすぐ傍まで来たので、通路の方を見るとロッドシール公がティアちゃんを連れて戻って来た。
「困りますなぁ、姫様。ティアルス殿をあまり刺激しないで頂きたい」
「どういうことです」
「この子は非常に賢く、頑なで、この首輪を大人しく着けさせてくれませんでした。何度も自力で無理矢理外して死のうとしたのです。よほど人質として使われるのが御嫌だったのでしょう。そこで心を少し壊させていただくことにしたのです」
「いやああ!!」
「何をしたんです!?」
「この子はこんな高潔ななりをして実は大変な甘えん坊です。長老殿の手により育てられたので、母親への憧れが強いのですな。そこで母親のような女2人で優しく包み、愛撫し、指で逝くことを覚えさせました」
「いっ言わないでください!」
「ティアルス殿の言う通り、愛撫以外の性器の仕込みは一切しておりません。しかしまあ、戦というのは主従の繋がりが重要ですので、私のモノを舌で奉仕すすることを覚えて頂き、それを私への忠誠の証しとさせていただきました。もちろん、最初は従うふりをしておられましたので、ほんの僅か反抗の様子を見せたところで1人の女の首輪のネジを巻くのを止めたのです」
「そんな……ひどい……」
「母親のような、恋人のような女が目の前で首が落ちて死ぬところをご覧になり、少し気が変わられたようです。しかしまた直ぐにこんどは復讐の目付きになったので、もう一人の女のネジも巻くのを止めたのです」
「キイイイイ! 思い出させないでぇ!!!」
「その後しばらく魂が抜けたようにされておられましたが、また新たに2人の女をあてがい、愛撫させると、安堵と絶望の表情を浮かべながらも逝かれました」
「やめてぇぇぇ…… グスッ、グスッ……」
「そ、その人たちは無事なのですか?!」
「今、ティアルス殿の小隊にいますよ」
「ああ、良かった」
「それ以来、私の従順な僕になられましたな、ティアルス殿は。運動能力はどうしても他の者より劣るので、作戦指揮をお願いしております。実に巧みに兵を操り、今では彼女の小隊が一番強いのではないですかな」
「『従順な僕』って…… なんてことを……!」
「ティアルス殿、私のモノを舐めていただけますかな?」
「はい……」
「ちょ! ば、バカなことやめてよ、ティアちゃん!」
「やめたらどうなるか、ティアルス殿が一番良くご存じですから」
 かなり逞しいイチモツとポロリと出した公爵の前に跪き、泣きそうな顔でソレを口に含むティアちゃん。
「や、やめなよぉ……」
 私も泣きそうだった。
「あ、姫様にもいずれお願いすることになりますので」
「ふ! ふざけないで!!」
「これから先、姫様が口に出来るのは私の精液だけなのですよ?」

 ―― ゴクリ ――

 『なんですって』という怒声も、ショックのあまり呑み込んだ生唾とともに、発音せぬままゴクリと咽頭へ吸い込まれてしまった。

 呆然としたまま、ピチャピチャとロッドシール公のペニスをしゃぶるティアルスちゃんの後頭部を見つめる。
 頭を大きく動かし、出し入れの速度を上げて行く。
 小刻みにクンクンと根元まで突き込むようにしたところで、ロッドシール公がティアちゃんの頭を止めた。
「もう結構です。姫様のためにとっておかないとなりませぬ故」
 ティアちゃんは口を離して立ち上がる。
 もう泣く寸前だ。
「ティアちゃん!」
「わあああああああん!! 姫様!姫様ああああ!!」
 私はガシッとティアちゃんを抱いた。
「大丈夫だよ、私は死なないから」

 カーーーーッ!と全身の血が沸騰した。
 こいつ絶対許さない!
 もう返り血浴びたって構わないから、コメドゥおじさまみたく煙にしてやる!!

 冷やかな笑いを浮かべるロッドシール公を睨みつけ、真剣に殺すつもりで念じる。

 下腹部が熱くなり、全身に力がみなぎる。
 今回は確信犯で殺人。
 でも戦車女にされてもいずれ人殺しをする羽目になるのは同じこと。
 ならば正義のため、諸悪の根源を断つ!

 その時、
「ふぁああああああンッ!!」
 今まで緊張感から鳴りを潜めていたディルドーが、ここぞとばかりに膣壁をごりんと擦った。
「やッ! やあああ! こんな時くらいいいいいい! くそっ、このっ、コイツおやっつけんのぉ!!」
 おしっこ漏れそうな気持ち良さに突然襲われ、その場にガクリと膝をついた。

「ハァ、ハァ」
 少し落ち着いた。
 もう一回挑戦だああぁ!
 このォーーーーーーーーーー!!!

 あヒィッ!!
 わああああああああ!!!んん!!
 らめらぁ……

 痴態を見られた恥ずかしさで真っ赤になる。
「ちょ、みないで! いやぁぁ……」
「ははは、この目で見るまでは信じられませんでしたが、姫のお力と仕掛けは本物なのですねぇ」
「くそ、ぜったいスキ見て、やっつけてやるんだからぁ!」
「妙なことを仰いますと、ティアルス殿のネジを巻くのをやめますぞ。姫様も実際どうなるかその目でご覧になりますかな?」
「姫様、私は死んでもかまいませんが、姫様のお力が及ばない今、既に私たちの負けなのです」
「さすが戦略に長けてらっしゃる。チェスのようなゲームで言えば、数手先で既に積み、チェックメイトなのです。答えをうのみにしても、じっくりお考えになっても、結果は一緒ですぞ」
「くっ……」
「ティアルス殿、私のモノを舐めた唾をお口に溜めて下さい」
「はい……」
 真っ青な顔でクチュクチュと唾を口に溜めるティアちゃん。
 うう、嫌な奴のアレの味なんか反芻させられて気色悪いだろうなぁ。
 まあ、味ったって精液出たわけじゃないから、体臭やわずかなオシッコ臭なんだろうけど。
「姫様とキスを。姫様早くここに慣れて戴けますよう、お手伝いを」
 ちょっ!
 わたしー?!

 ああ……
 ああ……

 本当に嫌な奴のを味わうって、こんなに屈辱なんだ。
 いくらティアちゃんの唾液でも、こんなの絶対嫌ッ!
 今までの儀式や拘束では出てこなかった、真に嫌悪することを強制させられる屈辱感。
 おじさまの事件では、嫌悪感を感じる前に、ユックさんやニルさん達によってオブラートに包まれ、やんわり実行されてしまっていたから。

 逆らえない。
 逆らったらティアちゃんが本当に死ぬ。
 私も死ぬ。
 渾身の抵抗も、膣のディルドーのおかげで完全に封じられていることを、嫌というほど思い知らされたばかり。
 怒りと情けなさと諦めで全身が震える。

 怖い……

 ティアちゃんと唇を重ねる。
「ティアルス殿、御自分で飲み込んで誤魔化しても、姫様の反応ですぐ分かりますぞ。しかも、それでは姫様のためになりませぬ」
 ティアちゃんは意図を見透かされたようにハッと目を見開き、涙を滲ませながら今度は目をとじて、私に唾液を送り込んだ。
「ンムッ!」
 嫌悪の唾液が口に拡がる。
 予想に反してそれは大した臭いも味も無く、単なるティアちゃんとのキスになったが、貪るように舌を絡めてくるティアちゃんに驚いた。
 私は、れろっ、れろっ、となだめるように舌を押し戻して、口を離し、ロッドシール公を睨みながらゴクリと飲み込んだ。
 睨んだまま、革に包まれた手の甲で口を拭う。
「さすがですな、姫様。このあとが楽しみです。ハハハハ」
 ロッドシール公は笑いながら去って行った。


「悔しい……」
 私もポロリと泣いてしまった。
「姫様、今はロッドシール公の思い通りにさせて、隙を伺うしかありません」
「そうみたいね。で、あたしは何をすればいいの?」
「まずはお浣腸です」
「あーはいはい、お浣腸ね…… お!お浣腸ぉ!?」
「ロッドシール公は姫様が貞操帯をお召しなので、お尻で快感を覚え込ませるつもりです」
「お尻でぇ?! 嫌よぉ」
「時間がありません。姫様まずはともかくお浣腸を」
「うーーっ」
 ティアちゃんは部屋に備え付けられてる箱を開けると、中から木製のトコロテン押し出し器みたいなものを取り出した。
 四角柱の一方から棒が伸び、反対側にはガラス浣腸器のものに似た、緩やかに尖った金属製のノズルが付いている。
 日本だと水鉄砲みたく竹で作っちゃうんだろうけど、こっちには竹に類似する植物が無いようで、木板を4枚合わせて四角い筒を作っている。

「御自分で股を開けてください」
「うん。これどうやんの?」
「お尻のすぐ上にバックルがありますから、外せば簡単に開きます」
 言われた通りお尻の上に手を回し、手探りでベルトを抜いた。
「着るときご覧になった通り、前も外せますので取って下さい。汚すといけませんので」
「うん」
 前のバックルは固定するだけで調節機構が無いのでシンプルな造りだ。
 留め金を外すと簡単にベルトが抜けた。
「四つん這いになって下さい」
 ぼやけた頭に具体的な姿勢が浮かんだら、突然ものすごく恥ずかしくなった。
「やっ、うあ、なんか恥ずかしいよ、ティアちゃんにお尻の穴見られんの」
 突然、ティアちゃんが泣きそうな顔になり、すぐに険悪な顔になった。
 さっと自分の後ろに手を回し、短い鞭を取り出すと、ビシイと私のお尻を打った。
「あたっ!」
「早く四つん這いになりなさい!」
「は!はいっ!」
 私は慌てて四つん這いになった。
 さすがにこの革の装具もお尻には鉄板が入っていないようで、鞭で打たれたお尻がジンジンしてきた。
 でも打たれた痛みそのものよりもティアちゃんが心を壊されてしまったように思えることのほうが辛かった。


 首から下を革でギチギチに拘束され、お浣腸をされるために四つん這いを強要される……
 相手がこんな状態のティアちゃんじゃなければなんだかちょっと気持ちよさに身を任せてもいいかなって状況だけど、今はとてもそんな気分じゃない。
 四つん這いのまま眉間にシワを寄せてうなだれていると、お尻の穴に何か塗り込まれた。
「うっ」
 このくらい何でもないけど、肛門の感覚にティアちゃんの指先の細やかな動きを感じ取ってしまい、ティアちゃんへの心配と自分の不甲斐なさで涙が出てきた。
 指が抜かれ、ツプッと金属の冷たさを感じたら、下腹部がスーッと冷えてきた。
 すぐに金属の感覚が抜けた。
 下腹部の冷たさがお腹全体に馴染む様子に気を取られていると、、予告もなくまたツプッと差し込まれた。

「に”ヤッ!」

 連続で浣腸されるって身構えていなかったので、変な声が出ちゃった。
 ティアちゃんは無言のまま内筒を押し込み、液だけがお腹に拡がる。
 またノズルが抜かれる。
 今度は早く何かで栓をしてくんないと漏れちゃうよ。
 着せられたスーツのせいで膨らむことの出来ないお腹がゴロゴロと鳴る。
 どんな作用で浣腸として機能するのか知らないけど、思ったよりは苦しくない。
「姫様、お出しになって下さい」
「もういいの?」
「洗浄が目的ですので。出したらもう1回させて頂きます」
「はーい」
「『はい』は短く!」
「はいっ!」
 ピシイと鞭でお尻を叩かれた。
 痛くはないけどびっくりしてちびりそうになった。

 与えられた厩の区画の隅にあるトイレスペースに行く。
 トイレと言っても、排水路の上に設けられたただの四角い穴だ。
 でもおまるや便壷より百倍ましだ。
 ぶりぶり飛び散るより、むしろまとまってにょろーんて感じで出た。
 したあと拭かれるでも洗われるでもなく、もう一回お浣腸。
「やだやだ、汚ないよう、拭くものないの?」
「わがまま言わない!」
 ピシーーッ!
「にゃっ!はいっ!」
 渋々お尻を差し出し、もう一回お浣腸。
 少し我慢してからまた排泄スペースで出した。

「それではこの専用木枷に拘束させて頂きます」
 上半身を腰の高さまで前屈させた状態で、首と両手が通る穴のある木枷。
 よく「ピロリー」と呼ばれる晒し台として中世の版画などで見掛けるものだ。
 しかもこれは、足と腰を留める台が一体となっているので、体を曲げることも起こすことも出来ない。
 相変わらず革の締め上げ感がひしひしと全身を蝕む。
 その締め付けがぽっかりと解放された股間のお尻の方に、ティアちゃんがトロトロと油を塗り込む。
「やっぱ、何か入れるの?」
「お黙り下さい。これからロッドシール公のものを型どりした張り形を入れさせて戴きます」
「ええっ?」
「姫様はこちらのご経験もおありと伺っておりますので、ロッドシール公のモノでも問題ないと思います」
「『問題ない』って…… それって犯されるってコトだよ? モノの大きさの問題じゃないよ」
「姫様はこの厩にいる間は、毎日ロッドシール公の精液をお尻から注がれ、また、ロッドシール公の精液しか口にできないのです」
「ふーん、そうなんだ。 ちぇ、じゃあ仕方ないか。 ……じゃないよ! なにそれぇ!?」
 刹那、長老との約束が脳裏に甦る。

『姫様がずっと『独立は認めません』と仰り続けて下されば良いのじゃ。『調教されても』じゃ』

 くうう、ここが私の堪えどころなんだろうなぁ。
 国民のために、一領主のおっさんにお尻と口を犯されるなんて。
 呂以に何て言い訳しよう。
 うう……戦争にならないためにがんばろう。
 単なる王女としての勤めなのに、なんで涙が止まらないんだろう。

「えぐっ…… ぐすっ…… ひっく…… ティアちゃんいいわよ、ブスッとやっちゃって」
「はい。では力を抜いてください」
「はーい、ぐすっ」
「『はい』は短くですってば!」
「はいっ!」

 お尻の穴にぴとっと押し付けられたモノを押し出すように力む。
 その力の変化を読み取り、油を上手に絡めながら張り型を押し込むティアちゃん。
「るァッ!」
 ゾクリとする衝撃的な快感を伴って、いきなりズブリとカリのとこまで呑み込んだ。
 快感と共に、凄い嫌悪感が広がる。
 太さは呂以のとそんなに変わらないのに、ずばっと実直そうな呂以のに対し、そこかしこが歪(いびつ)に捻(ねじ)れてるような凶悪さがある。
「ふわあああああ!」
 ずりゅっと侵入してくると、脇のねじれが肛門を斜めに擦る。
 それが意に反してパアッと快感を呼ぶ。
 素直に快感を受け入れるのは耐え難く、以後の嬌声をぐっと噛み殺した。

 ティアちゃんは更にずりゅっと押し込み腸が曲がっている所に突き当たった所で止めた。
 カチャカチャ、パチンと音がする。
 私はギョッとした。
「ちょっと、ティアちゃん! 固定するの? やだ、取って! 抜いてよ、ねぇ!」
「私が命令されているのはここまでです。姫様はしばらくそのままお待ち下さい」
「ええーー? やああ!」
「これで失礼します」
「やああ! ねぇ、ティアちゃんまだ居てよぉ!」
 カツカツとブーツの踵の音を響かせティアちゃんは行ってしまった。
 お尻に突っ込まれたディルドーが肛門をヒリヒリと刺激する。
 いつもお尻に差し込まれる国宝の金のディルドーは肛門の筋肉部分が細く括れているので、しばらく入れっぱなしにされても一応楽だ。
 でもこれは……

 開きっぱなしなんて最初に調教された時以来かも。
 閉じてて当たり前の筋肉が開きっぱなしにされると、恐ろしく落ち着かない。
 お尻の穴が異常をきたしているという信号が、神経を伝ってどんどん脳に集まる。
 排泄は人間の原始の行動に根差してるから、その器官の異常は、真剣に待った無しの焦燥感を脳に叩き込んでくる。
 肛門の括約筋が悲鳴を上げてる。
 しゅるりと縮んで落ち着きたいよう。
 こんな長時間伸びっぱなしになるなんて聞いてないよう。
 間違って力を入れようものなら、ギリッと軋んで千切れそう。
 私の肛門の安堵を阻止しているのが、ティアちゃんや私にひどいことしてる奴のモノを象ったディルドーだなんて……

 私らしくなく、グズグズと泣きながら時を過ごす。
 おじさまの時だって、孤立無援で頑張ってたつもりだったけど、結局呂以が様子見に来てくれたから頑張れた。
 儀式は単純に耐えるだけだから肉体的苦痛だけだった。

 でも、今みたく誰かと敵対した状況で、しかも信頼してた子が敵の手中にあるような状態では、もう耐えられないかもしれないなぁ。
 独立オッケーって言えば楽になれるのかなぁ。

 ズキズキするお尻の穴がだんだん熱をもって、どうにも表現しようのない環状の倦怠感が襲ってくる。
 履き慣れない靴を長時間履いた時の、どうにも解消されないキツさと同質の不快感がお尻の全空間を埋め、それが快感を伴った排泄要求を発するのでどうにも始末が悪い。

 後頭部方向から脳がズクンズクンと削り取られて行くようなやるせない喪失感が一秒たりとも我慢出来ず、拘束された手の指先や唇が、ヒンヤリ冷たくなっているのが自分ではっきりわかる。

 不快な冷や汗が幾筋も額を通過し、消えることの無い焦燥感が続く。
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