|   |  目次  |  小説目次

  ポニーガール?  






§§ ポニーガール? §§

 苦労して扉の前までたどり着くと、ユックさんがベランダへ続く扉を開けた。
 眩しい光が暗い穴蔵のような部屋へ差し込み、湿気の多い部屋へ涼しい乾いた風が流れ込んで来る。
 手を額にかざし、言われたように腰を突き出して、ベランダまでガックカックと歩いて出る。

 木製のテラスを細いヒールをガツガツ鳴らしながら歩き、最初に屈辱のおしっこさせられた辺りで、また鎖を繋がれた。
「ちょっと待っててくださいねーッ!」
 なんかやる気まんまんの元気な声を残して、ユックさんが中に消えた。

 ひー

 なんで私はこんなところに素っ裸にブーツだけで繋がれているんだろう。
 飾り毛を溶かされてしまった股間は、明るい日差しの中で、ペン先のような中央の割れ目をクッキリ際立たせていて死ぬほど恥ずかしい。
 このまえの曇天とはちがい、すがすがしい快晴なのでなおさら自分のやってることがバカみたいに見えて来る。
 あ、そうだ、せっかくだから力の練習でもしよう。

 遠くに見える木の、はみ出した小枝を見つめ、枝にノコギリでスジを入れるようなイメージをする。

 うーん……
 ウーン……
 ンーーーーー!!

 ガクッと枝が揺れ、斜めに傾いたが、千切れて落ちることはなくブラブラしている。
 ああん! もうちょっとなのに!

 さらに引きちぎるイメージをする。

 ンンンーーーーー!!

 ボトリと枝が落ちた。

 やった!

 それじゃ試しにこの鎖。
 テラスの柵に繋いである南京錠を壊してみよう。
 金属の塊を歪めるイメージで……
 構造がわからないから想像しにくいな……

 ンンーーーー!
 歪め歪めーーーッ!!

 あ、あれ?
 突然、景色がぐにゃりと歪む。
 自分で自分が青ざめているのがわかる。
 唇をかみしめると、自分の唇が冷たいことに気づく。

 何の前触れもなく吐き気が襲う。

 ぎもぢわるーーい!

 そのままその場にへたり込み、木の床に横倒しに倒れた。
 やっと自分に何が起きたのかわかった。
 貧血だ。
 脳の血が少なくなって、貧血を起こしたんだ。

 倒れたために頭が心臓と同じ高さになり、ドッドッと頭に血が戻り始めると、やっと吐き気も収まり、気分も良くなってきた。
 でもしばらく起きれない。

「おまたせー! アーーッ! だめーッ! 許可なしのおひるね禁止ですーッ! あ、あれ……? キャーーッ!!」
 手にリードとハリセンを持ったユックさんが戻って来たけど、私の様子を見るなり全部投げ捨てて駆け寄ってきた。
「姫様! 姫様どうしました? 大丈夫ですかッ?」
「あ、すみません…… 急に気分が悪くなって……」
「あーおどろいた。あたしが慣れないブーツ履かしたから? どうしよう!!」
「あの、たぶん、ブーツのせいじゃないと思います」
「そうですか? なーんだ。 それなら、姫様立ってッ! 歩き方ちょーきょーしますからッ!」
 うわ、立ち直り早ッ!
「は、はい……」

「まずーゥ、首輪の鎖を、このリードに換えますねッ」
 首輪の方の南京錠を外し、鎖をテラスに落とすと、首輪の金具に長い革製のリードをつけた。
「これ知ってますゥ?」
「ハリセン……でしょ?」
「ああ、そんな名前なんだー! 言う通りにしないとこれでビシビシぶちますからねーッ! ホントはポニーといえば鞭なんだけど、お肌に跡が残るとコメドゥ様に叱られちゃいますからネッ! 姫様といえど、カッコ良く振舞って戴くためには容赦しませんよーッ! えへへへへ!」
「は、はい!」
「じゃ、いいですか、私が真ん中に立ってリードを持ちますからぁ、姫様はちゃんと腰を入れてカッコ良く私の回りをぐるぐる回ってくださーい」
「はい」
「あ、そだ、前手枷だと背中が丸まっちゃう」
 ユックさんは私の手枷から鎖を外し、手を後ろへ回させると、南京錠だけで留めた。
「これでヨシっと」

 私はユックさんのそばを離れ、ガツガツとリードいっぱいまでの所へ移動し、ユックさんを中心とする円を描くように歩き始めた。
 足首に注意しながら、ガツガツと歩く。

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

「姫様、ダメダメェ! 足を投げ出すように歩いたらコケますよーッ! ちゃんと上げて? そうそう」

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

「姫様、ポニーちゃんになったつもりで!」
 ポニーちゃんて何よぉ。

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

「あーもう」
 急にユックさんが寄って来て、スパーン!とハリセンでお尻をぶたれた。
「いたーッ!」
「まだ腰が引けてますッ! 姫様足首を意識しすぎ! そだ、つま先で抜き足差し足するつもりで歩いてください」
「はあーい」

 ―― スパーン! ――

「『はい』は短く!」
「はいっ!」

 ひー!

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――
 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

「なかなか良くなってきましたよ、その調子ですーゥ」

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――
 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 なるほど、なるべくヒールを使わないようにすればいいんだ。
 でもそれだと、つま先が疲れちゃって、甲も突っ張る……

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――
 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 ―― スパーン! ――

「いたーーい!」
「また腰が引けてまよー」
「はぁああい」
「また言ったァ!」

 ―― スパーン! ――

「キャーッ! ごめんなさい! ごめんなさい! はいっ!」
「ちゃんと前向いてッ!」
「はいっ!」

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――
 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

「あー、ずいぶん良くなってきましたーぁ」
「はい」
「ちょっと止まってくださーい」
「はい」

 後ろ手の手枷を解かれ、また前手枷の状態で鎖で繋がれた。
「これで大丈夫なら、一休みしましょーね?」
「はい」

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 ―― ガツ ガツ ガツ ガツ ――

 自分でも意識せずに上手に歩けるようになってきたと思う。
 甲の突っ張る感じは履きなれないとだめかもしれないけど。

「うっわー! オッケーでーす! 姫様カッコイイ! ゾクゾクしますー!」
 ユックさんの目がトロンとなっている。
「どうも……」

 突然ユックさんが木の床に顔をこすりつけ、後頭部を指さした。
「ひ、姫様、ココ踏んで! ココ! お願いしますッ!」
「エエッ?! そんな……」
「はやくゥ!」
「あ、はい……」
 ユックさんのボリュームある金髪の縮れ毛が目の前に絨毯のように拡がっている。
 その手前中心の一番盛り上がっている所をブーツのつま先部分の靴底でペシッと踏んだ。
「ダーーッ!」
 ビクッ!
「ちィがーう! かかとでぇー! グリグリって!!」
「あ、はい!」
 恐る恐る細いヒールを押し付け、ぐいーーっと踏んだ。
「あひイッ!」
 すぐに離す。

 私の脳内で、どこがどうすり替わったのか、良い姿勢やハイヒールの高さが、一種王家のプライドのようなものを呼び覚ました。

 もう一回踏む。
「あ……あぁ〜ン!」
 もう一回。
「はァッ……」
 土下座のまま熱い溜息を吐くユックさん。

 なんかSの気持ちもわかるかも!

 そっと離すと、ユックさんは蕩けた顔で立ち上がり、にへら〜っと笑った。
「毅然としてカッコイイ姫様に踏んでもらうの、最ッ高……! んでもって、こんどは姫様の番〜!」
「え? やっ! キャッ!」
 首のリードを引っ張られ、木の床に土下座させられた。
 後頭部は私の場合、アップにしてもらった髪の毛が分厚く渦巻いているから、踏んでもつまらないと思うけど……

 ぐっと踏まれた。
 うっ、文字通り頭が上がらない。
 ジワーーッと全身に悪寒がさざ波のように拡がる。
 その悪寒の正体は、微小な快感の波。
 さっきまで毅然としてた王女様が、いきなり土下座して踏まれるなんて……
 イイ……
 きもちイイ……

 股からなんか垂れちゃった……



§§ 自己練習 §§

「姫様ぁ、立ってくださーい」
 手を引っ張られ、その場に立ち上がる。
「歩くのが上手になったのでぇ、少しお休みにしまーす」
 首輪の革リードが外され、また鎖に繋がれた。
 ユックさんが一度中に戻り、折り畳み椅子を持って来た。
「はいどーぞ。それとお約束のサングラス! それと、これもどーぞー!」
 広い台座のついた、おちんちんの形をした太さ3cmほどのディルドーと、小瓶のローションを渡された。
「こっ、こんなもの、いりません!」
「使わないならぁ、箱ごとここへ置いておけばいーですよぉ? 姫様マイペースでやってくださーい!」
「そうさせてもらいますっ」
「では〜〜」
 ユックさんは扉から中へ入っていった。

 チュンチュン、チチチチと鳥の声がし、遠くで蝉が鳴いているのが聞こえてきた。
 小山の上の林の中の、のどかな午後。
 こんな姿でなければ、もっと楽しいのに。

 日差しが強いので、早速もらったサングラスをする。

 今頃になってふくらはぎのキツさが気になり出した。
 ジッパー部は別に鍵なんてかかっていないので、足枷の手前までジッパーを下ろし、パンパンのふくらはぎを休ませた。

 ふくらはぎのうっ血が楽になったら、ジッパーを下ろしたブーツのあまりのカッコ悪さに、少々きつくてもちゃんとしようという気になってきた。
 ジジジとジッパーを閉じ、椅子にポンと座る。

 何もすることがないので力の練習でもしようかなと思ったけど、また貧血起こしそうだ。
 最初の口枷の切断や部屋の電気のスイッチの時のことを思い出してみると、どうやらまだ力を使うと急に脳の血を消耗するらしい。
 牛乳の粘り気の時はそれほどでもなかったということだろう。
 結局そこにある南京錠を壊すのは未遂に終わっているし。

 さて力の練習をあきらめると、なーんにもすることがない。
 まさかこんな明けっ広げな所でオナニーするわけにもいかないし。
 それに…… さっきのディルドーが気になる。
 あの形を思い出すと、なんだかドキドキして来ちゃう。

 貞操帯を嵌められたら、あんな太い棒も入れられちゃうのかな……

 …… 入れられちゃうんだよ!
 だってガラスケースに入ってたじゃない!
 それっぽい棒が!

 れ、練習……
 練習しとかないと……
 ダメ、だよね。

 うわああ!
 何考えてるの? 私。
 あの貞操帯を嵌められちゃった時はすべてを諦める時なんだよ?
 お尻の快感を味わうためだけに嵌められるわけにいかないんだよ?

 でも、万が一お尻に入れられちゃう事態になったら、慣れていれば理性で快感を振り切って、お父さんに言われた使命を遂行できるよね。
 入れられただけで抵抗できないほどのショックに襲われたら、それこそそこで完全奴隷に成り下がる。
 やっぱり練習しなきゃ。
 力の練習ができないなら、こんな自由になる時間を無駄に使っちゃだめだ。

 目的意識が生まれたので、まじめな顔で箱からディルドーを出そうとした。
 へぇ、ちゃんと除菌ウエットティッシュが入ってる。
 手とお尻を拭いて……
 ローションを手に取るけど…… お尻に届かない。
 また手枷の鎖を縄跳びみたいに足の下をくぐらせ…… あれ?
 うわ! ブーツ邪魔!
 ブーツと分厚い金の足枷がひっかかって、どう体を縮めても後ろ手枷に持って行けない。
 どうしよう……

 幸い、このディルドーは広い土台が付いているので自立する。
 ユックさんが出してくれた椅子にディルドーを立て、手にローションを取って、全体に塗り広げる。

 ―― ゴクッ ――

 こんな太いの…… 入るかな……

 ううん、何としても慣れないと後で大変…… だと思う…… きっと。

 椅子にそそり立つトロトロに濡れ光るディルドー。
 お尻をそっちへ向けて、後ずさりしながら目標を定める。
 後ろに手が回れば、お尻の割れ目を手で左右に開いておいて命中しやすくするということもできるけど、今はただ目標を外して倒したりしないことに全神経を集中させるしかできない。
 床に落ちたディルドーはもう入れる気がしないよ。

 …… あと少し。

 ぴとっ、とお尻の割れ目に先端の冷たさ。
 もう少し下だった。
 やりなおし。
 お尻を持ち上げる。
 少し後ずさる。

 おっとソコは!
 危なかった。
 ヴァージンだけは守らないとね。
 そこから先端なぞりながら少し後ろ…… ここかな?

 先端が当たったところで、うんち出すように息むと、なんかクパァっと開いた感じがして、簡単に先端を咥えた。
 ひゃっ!
 い、いいの? こんなにすんなり咥えて……

 ゆっくり、お尻を下げる。
 耳に小鳥のさえずりと羽音。
 テラスの中央にかわいい小鳥が……

 あああっ!
 私なにやってんだろう!

 でもこれも使命のため。

 ゆっくり、ゆっくり……
 うっわああああああ! 太い!!
 お尻の穴の周囲ごと奥に押し込まれてるよォ!
 これじゃ入らない。

 半分ヤケクソになってエイ、エイと押したら、ミリッと激痛が走った。
「ギャッ!」
 飛び上がると絶対ディルドーを倒すと思ったので、根性で腰を浮かすに止めた。

 ひィいん…… もう、やめようかなぁ。

 またうんち出すようにいきんでみよう。
 あのとき言われたことを思い出して見る。

「ウーーーーンッ!!」
 恥ずかしげもなく声を上げる。
「ウーーーーン!!」
「ギーーーーーーーーーッッッ!!!」
 メリッと音も無い衝撃がお尻を貫き、今まで味わったのの何倍もの閃光のような衝撃が脳に走った!
 ドカーーンと破裂するような爆発的快感が全身を貫いたと思ったら、目の玉がぐるんと裏返るほどの快感の束が身体の中心目がけてたたき込まれた!

「…… …… ……!!」

 目を剥いて口をパクパクするだけで、本当に強烈な快感に襲われると声も出ないんだということを知った。

 一瞬の間があって、快感の波が過ぎると、やっと状況を把握できた。
 私はペタンと椅子に座っていた。

 ダラダラと冷や汗が出る。
 す、すごいことに?
 な、なってるの?
 もしかして?

 ディルドーを弾き飛ばしたのでないとすれば、その全部が私の身体の中に…… 入っちゃった…… ってコト?

 発狂しそうなお尻の拡張感は、まぎれもなく異物が肛門を占領していることを表していた。

 目の前にまた小鳥がやってきた。
 私の全身汗まみれの拡張との格闘など別世界の出来事のように、周囲はのどかな風景だ。

 恐る恐る立ち上がると、ディルドーの重みと大量のローションのせいで、ディルドーはお尻に残らずにヌルヌルと抜けて行く。

 カハァアアアアァァアアアアア!!
 きもちいいいいいいい!!!

 全部抜け落ちないうちに、先の太くなってる部分がお尻の中にあるうちに、再びお尻を沈めてゆく。

 うんちが逆流する凄まじい挿入感!!
 この方向に物が流れ込んではダメって全身の神経がビリビリ興奮してる。
 それを無視して極太の異物を呑み込む背徳感!!

 そして…… 自分の存在が犯され、何かを体内に差し込まれてしまうという自己破壊の快感!

 処女のくせに、犯されてきもちいいって思うなんて……
 そんなのダメだよ、思うツボだよ。

 ああああああああああでもそんな理性なんか簡単にブッ飛ぶくらいきもちいいのおおおおお!!!

 キイイイイイイイイイ!!
 入って来るッッ!!

 ぷちゅううぅぅぅ
 アハッ、また全部入っちゃった。

 また腰を浮かす。
 今度はお尻の締め付けを調節して、トロッと抜ける速度を自在に調節する。
 はふッ、はふッ、はふッ!
 バカになるううぅぅゥゥ……!

 抜ける時の快感を楽しみ終わったら、また挿入〜

 イ! イイイイイイイイイイイイイ!!!

 何度でも楽しめるゥ!!

 私は知らず知らずのうちにそのディルドーを貪り、腰を上げ下げしたり振ったりしながら、どんどんピストン運動を続けていった。

 おま○こからはドロドロ処女粘液が流れ出し、穴の位置が数cm違うだけで、セックスしてるのと同じ感覚を味わっていた。
 もちろん、おま○こ使うセックスの快感は知らない。
 でも、私にとって、もうお尻の穴はお○んこといっしょだった。

 どんどん何かが上り詰めてくる。
 散らばってた快感が一つに集まって来る。
 手枷の鎖を鳴らして自分のおっぱいを揉む。
 きゅーーんと胸の中身を吸い出されそうな甘い刺激が拍車をかける。

 きゅっぽきゅっぽとお尻の穴が鳴る。

 山の中の林の昼下がり、のどかな景色の中で、淫魔に取り憑かれた私は一人で快楽を貪り続ける。

 全身が痺れて、いよいよ高まって来た。

 前手枷の指を揃えて、クリトリスを挟むようにそっとつまむ。

「オオオオオオオオオオオ!!」

 野獣の咆哮だ。

 気持ち良すぎて指が止まらない!

 前みたく一気につまむと失神してしまうので、そっとそっと押すようにつまむ。

 ギューーーンと電気が走り、お尻の穴もギュッとすぼまる。

 前の刺激と後ろの刺激が混然一体となって、目から火が出て脳が割れそうなほど気持ち良くなった。

「いっ! いックーーーーーウ!!」

 何も抑え込まず、大声で宣言してからイクことのなんと気持ち良いことか。

 安心したら足の力が抜け、お尻のディルドーがドゴンと全部刺さって、本当に目から火が出て気を失った。





小説目次  |  目次  |   | 
 

powered by HTML DWARF