絶頂

| | 目次 | 小説目次






 冤罪だらけの魔女裁判で、火で焼かれた子がそのまま天使になって天に昇るのを見た人がいるという。
 おこがましいけど、今のあたしはその時焼かれた子の心がわかる気がする。
 肉が焼かれる痛みは本物。

 でも、それはそれ、これはこれ。

 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……

 心が軽くなったって、脳髄液沸騰しそうな寸止めの絶望が解除されるわけないじゃん!!!

 でも、恨まない。

 味わう。

 究極のお預けで、捩(よじ)り切れそうな心が、きもちいい。

 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……
 ……はひイッ!……

 そしてとうとう。

 ブツンと暗転。

 快感ではなく、絶望のストレスについに脳が耐え切れなくなり、不快な失神をした。


 *****


 カッと目が覚めた。

 廊下の天井、下から見上げた花材、おっぴろげた性器。
 ああ、失神してたんだ。
 絶頂ではない失神てこんなに後味悪いんだ。

 ぐふっ、ぐふっと泣いて、鼻奥に垂れる涙を味わう。

 失神してる間はさすがに何もしてないのだろうけど、目覚めの兆候を感じ取って、勝手にまた快感がチャージされている。
 また末梢からさわさわと快感を送り込まれ、寸止め地獄の刑場に連れて行かれるとわかってるのに、快感列車に乗ってしまう。
 ああ、やっぱ触手の愛撫はきもちいい。

 ―― ドクン、ドクン ――
 ―― ドクン、ドクン ――
 ―― ドクン、ドクン ――

 自分の股間で屹立するクリトリスを見つめる。

 目から光線でも出て刺激できないかなぁ…… アハハ。
 ……て、ヒッ!!!
 何?

 尿道が!
 尿道が全周甘く刺激されてる。
 ぞわつく排尿感を、何度も何度もネオンサインのように輪状に刺激が移動する。
 こんな刺激、人間同士だったら絶対出来ないよね。

 すると刺激が途中の一番きもちいい所で止まり、今度は膣内でも同じ動きが始まった。
 処女膜の直奥から子宮口まで、輪状に刺激が進んでゆく。

 ア”ッ!!!

 固化された琥珀の中で全身が跳ねた。
 あのいちばんきもちいい膣の天井を、尿道の中からと膣の天井からサンドイッチで刺激してるんだ。
 尿道に差し込まれた触手の周囲を、尿とは別の液体が走る。

 とろけそうな気持ちよさ。

 今度は肛門キターー!!

 触手の最大の強みで、お花を活けられ部分を揺らすことなく、あたしのうんち出るときに刺激されるきもちいいトコロをぐりぐりブブブと刺激しはじめた。

 うそぉ!

 あたしの感覚としては、天に向かってこのお花たちを連続で高速排便してる、なんとも名状しがたい凄まじい違和快感なんですけど!!

 うう、もう人間とセックスなんてできないかもぉ!

 尿道・膣・肛門の、触手にしか出来ない特殊な快感をたっぷり味合わされたあと、満を持して子宮口が突き上げられた。
 この衝撃は本当に、おんなにとっての究極の衝撃。
 『おちんぽ奴隷になる』とか笑っちゃう表現を控え室で聞いたけど、ココ責められて弱い子なら、本当にそうなるかもね。
 あたしもそこへトドメの一撃を喰らい、たっぷりかき集められた異常性感が一気に弾けた。

 え? イッていいの?

 もう、寸止め絶望の心を理解したから?

 うれしい!!

 パパに、ご主人様に、メイド長に、マーサに、ベッキイに、全員に感謝しながら、快感を浴びてイク。

 イク。

 イク。

 イクウウウウウウウウゥッ!!!!!


 *****


 全身が小刻みに震えながら、いっぺんにイクことなく無限に昇ってる。

 イッてるのに……

 イッてるのに……

 イッてるのに……

 行きつく先が見えない……!!

 これは本当はきっと、禁断の絶頂。
 生き物としては普段こうならないような仕組みが働いているはず。
 これだと心臓が休まる暇がない。
 本来は一時にググッとイツて、あとは弛緩の安らぎが来る。
 でもこの絶頂は…… 心臓がすり減るのがわかる……

 出せない声も押し潰されるほど、目も眩む絶頂の中に居るのに、弛緩の出口が見つからない。

 イグ!!

 イグ!!
 イグ!!
 イグ!!
 イグ!!
 イグ!!
 イグ!!
 イグ!!
 イグ!! イグ!! イグ!! イグ!! イグ!! イグ!! イグ!! イグ!!

 ぐうううううう…………

 ピカツと失神し、ハッと目覚めても、霞の中のような絶頂の最中。


 その限界を調整するかのように、全身の触手が蠢いている。

 ブツン、と意識が落ちた。


 *****


 目が覚めると、まだ絶頂の中に居た。
 猛烈な時間経過を感じるが、何がどうなってるのかわからない。

 あたしを見つめて、廊下の端でオナニーを始めるマーサが見えた。
 でも自ら身に着けている触手下着に阻まれ、涙ながらに去った。


 *****


 ベッキイも来た。
 ベッキイは今は素の身体なのか、しばらく好きなだけいじってた。
 あたしはその間にまた気を失った。


 *****


 目が覚めるとメイド長様がいた。
 メイド長もイジってた。
 なんか、親近感がわいて少し笑った。

 また気を失った。


 *****


 ぜんぜん時間の経過が不明のまま、快感と失神を往復し続けるあたし。

 快感の中では疲弊し切ってるんだけど、失神してる間に何かされているのか、体調を悪くする気配は無い。

 一生分の快感を浴びせられ続けている。

 連続絶頂というファンタジーを全身管理下でリアルに実行されている。

 気がつくと夜だったりすることも何度もあったので、数日は経過しているのだろう。



 最後に失神したあとは…… しばらく闇だった。



小説目次 | 目次 | |
 





powered by HTML DWARF